モスクワセミナー09 3日目(9月23日)

3日目です

◎午前
午前のテーマは「より深い呼吸」
「深い」といっても一般的な「腹の底まで吸って吐く」というものではなく、より繊細かつ微妙に体を感じ取っていく、という意味合いになります。

まず行ったのがミカエルの子息ダニエル・リャブコによる長時間ダッシュ。スピードを上げたり緩めたりしながら、ひたすら体育館をぐるぐる走ります。合間にプッシュアップやスクワット、ローリングなどが挟まりますが、これはあくまでも「休憩」。全員がもうバテバテになるまで、ひたすらダッシュです。

その後、おもむろに床に寝て呼吸のエクササイズ。リラックスしながら、心臓の鼓動を感じます。まずは胸、心臓、首、手首、膝、足首、お腹、などなど。体のパーツごとに意識を集めて鼓動を感じます。それを全身やったら、例えば手首と肘、肘と肩というように、鼓動を感じる部位と部位の感覚をつなげて、より広い領域で鼓動を感じられるようにします。

そのようにして全身の鼓動をつないでいき、全身で一つの鼓動を感じるようにします。

鼓動をカウントする時には、数字ではなく「祈りの言葉」を用いると良いのだとか。クリスチャンなら「主よ憐れみたまえ」のような。

ダッシュとこのエクササイズで、1時間半くらい使いました。

続いて別のアプローチから呼吸のエクササイズ。
仰向けに寝た人の上にパートナーが寝転びます。下に寝ている人は、自由になっている体の部位を使って呼吸をします。例えば胸の上に相手が寝転んだ場合、胸郭を広げる事が困難です。その時にはお腹を使ったり、お腹と胸が押さえつけられている時には、背中を使ったりなど。どこにでも肺が拡張し、楽に呼吸できるようにするためのエクササイズです。これはセミナーに先立って行われた、早期到着者を対象に行われたビクトルのウォーミングアップ・クラスでも行われました。

そこから軽いレスリングへと移行します。
下に寝転んでいる人は力を使わずに相手の下から逃れ、その動きの流れで相手の上に覆いかぶさります。乗られた人は同じように逃れてまた相手の上に乗ります。この繰り返し。このときも呼吸の意識を忘れません。あくまでも呼吸の応用です。

→軽いロックも加えます。押さえ込みや関節技などを用いて相手を動けなくします。それでも同じように逃れて、また相手にやり返します。この時は常に動き続けることが大事。練習中にビクトルとも組んでもらったのですが、ビクトルは余裕しゃくしゃくなのに両手両足を極められてしまいました。コマンドサンボの達人が彼に寝技を挑んでこてんぱんにやられてシステマを始めた、とのことなのですが、さもありなん、という感じです。話がそれますがビクトルはまだシステマを始めて三年ほど。

彼はスタッフとして世話を焼いてくれただけでなく、上達へのヒントをたっくさん伝えてくれましたので、その事も追って記載したいと思います。

◎午後
・まず何往復も体育館をダッシュ。様々な呼吸や無呼吸で走ってみたりして、呼吸の効果を味わってみる。

・ウォーミングアップとして、軽いレスリング

・ミカエル曰く「手を使うトレーニング」
仰向けになった上に寝転んできた相手の緊張を探し、それを押す事で相手をどかす。
→押すだけではダメ。全身も一緒に動くように
→慣れてきたら、プッシュがパンチに変化する。
※「緊張を押す」という原則がここでも出てきました。それだけ大事なんです。

・ミカエル曰く「足を使うトレーニング」
立っている相手の足の様々な位置をさまざまな角度から足で押し、どうすると崩れるかを検証する。
→これを軽い蹴りでも行います。体重を乗せて踏み込むのはNG。正しくできていれば、踏み込む必要はない。また踏み込む事でバランスを崩してしまうのもNG。
※これは足で相手の下半身の緊張をとらえて利用する練習です。同じ原理です。

・歩いてくるパートナーの足を、軽いキックで止める
→前段のトレーニングを動的にしたものです。相手の緊張をとらえることでコントロールする、というのは全く同じです。タイミングや当てる場所、角度など、うまくいけば軽い力で相手を止めたり、崩したりできます。とはいえ最初から崩そうとするのではなく、まずは止めるところから。

デモンストレーションでミカエルの蹴りを受けましたが、もうとんでもない重さで、たまらず崩れてしまいます。

・同様のトレーニングを1対2で。
歩いてくるのが2人。止めるのが1人。
→複数の相手が歩いてくる場合、一人を崩すのに手間取っていると二人目に対して間に合いません。それを実感し、一人一人を手短にすませるのを学ぶため。

・また「手を用いたトレーニング」に戻る
拳を使って一人を二人で押し合うおなじみのドリル。全身の力を抜いて。押す側も、押される側も。
→同様のを1対4で。 
→足での蹴り、ストップも加えて

これも相手の緊張をとらえ、コントロールするトレーニング

というワケで、対人トレーニングはこの日もほぼ全編を通して「相手の緊張を使う」という原理で一貫されてました。

〆は二人一組で向かい合い、1~10回ずつ同時にプッシュしあう。
→続いてパンチしあう。

これはミカエルのパンチの受けで有名なセルゲイさんと組みました。重たかったです。

Mikhailkick.jpgミカエルに太もものあたりを蹴られた瞬間の私。腰が崩されているのがわかりますですね。

ryabko2.jpg
リャブコ親子にキャッチボールされるぜいたくな私

Tag:海外セミナーレポート  Trackback:0 comment:2 

Comment

ヒデ URL|Japan のトレーニング
#- 2009.10.03 Sat21:24
馬場のグループでは現在、スコット、アンディ、Iitのロシア組中心でトレーニングを回しています。

激しい格闘的なものは少なく自分やパートナーの緊張を感じそこに働きかけるワークをひとつひとつ丹念に行い、神経や感覚を養う内容だと感じます。
いままでのおさらいなの?と思ったけどトコロガどっこい奥が深い。。
ロシアからのワークはほんとに繊細ですね。すごく感じますよ。「自分を知れ」の意味を。
まだまだ旅は続きますね。
きたろう URL|
#- 2009.10.04 Sun11:21
ヒデさんもモスクワの空気を共有できているようで、なによりです。本当に今回のセミナーでは、特に目新しいドリルはあまりやってないのですよね。でもその解釈をひたすら深められた、というのが実感です。この解釈をみんなで共有すれば、いろんな事が変わると思うのです。
comment form
(編集・削除用):
システマ本部認定クラス
WarriorLogoFullmini.pngrusslogo.jpg
システマ ライジス イン ジャパン参加受付中
10/7-9 本邦初マスターと過ごす富士合宿。システマを全身で体験する2度とない機会をお見逃しなく!
minifuji.jpg
システマ東京案内&問い合わせ先
正規システマクラス「システマ東京」では各種クラスを実施中。いずれも初心者歓迎です。
詳細はクラス情報をご参照下さい。
お問い合わせはContactまで。
プロフィール

TKHDKTGW

Author:TKHDKTGW
北川貴英:システマ東京主宰。08年モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより公式システマインストラクターとして認可。16年コンディショニングに特化した「INSTRUCTOR OF APPLIED SYSTEMA」に認可。首都圏を中心に各地で年間400コマ以上を担当。システマ関連書籍を多数執筆。教育機関、医療系シンポジウムなどでのセミナーや各種媒体を通じてシステマを幅広く紹介。今なお毎年欠かさず海外研修に赴きスキル向上に努める。
システマ東京公式サイト
クラス日程
著書&DVD一覧
公式メルマガ登録フォーム

システマ東京カレンダー
システマ東京イーストジャパンツアー
システマ東京による東日本巡回WSです。初心者から経験者まで大歓迎。ご都合つく方ぜひご参加ください。
【群馬】7/30(日)システマ群馬&太田主催
海外講師セミナー情報
〈富士合宿〉ミカエル&ダニール・リャブコ
2017年10月7日〜9日
ドキュメンタリーDVD「強き祈りの手」
「体力をつけ精神力を高めることで、攻撃しない人間になれるのです」 システマの哲学と軌跡に迫るドキュメンタリーの日本語版。正教との関わりからノンコンタクトワークまで、システマのエッセンスが凝縮された充実の52分。主演:ミカエル・リャブコ 数量限定生産。
システマ書籍
ブログ内検索
最新記事
おすすめショップ
〈システマDVD&システマグッズ〉
システマジャパンショップ
システマ大阪ショップ
QRコード
QRコード
BBS
会員制BBSはコチラ
システマクラスに継続的に参加されている方が対象です。
参加希望の方は「お名前」「所属クラス」「参加期間」を記入の上、フォームよりお申し込みください。