システマ創始者TVインタビュー inウクライナ 第3部



S:おそらく一番簡単なのは、もっとも初歩的なこと、私たちにとってもうすでに習慣となっているプレッシャーとスクワットです。この基本的な体勢をコントロールすることは、体の中の緊張が増大しないようにするためです。つまりもし人がしゃがむときに力のバランスが崩れると……

R:猫背になりますね。

S:ええ、猫背ということです。これはいい状態とは言えないでしょう。これだと余分な緊張を持たせることにつながって、呼吸はうまくできません。私たちは体勢を維持して、たとえば息を吸って、吸い込んで下に、息を吐いて上に。今ここで息を吐き終えました。ここまでで吸って、吐きます。そしてこのようにして、人は自分の動きをコントロールしながら、呼吸と動きを結びつけるのです。吸ったり吐いたりは、具体的な動きに必要な分だけ行います。プレッシャーも同じですが、今はうまくお見せする状態ではないように思います。

動きが行われていれば、そこに呼吸があります。とても単純なことなのです。やるべき事は、実践的で科学的です。体を整えて、呼吸を整えるということです。つまり動作を完了するために必要な力に見合うだけの、呼吸が必要なのです。たとえて言うなれば、以上のようなことです。

M:歩きながらの動きもお見せすることができます。

S:原則は同じことで、規則にのっとって一歩目を踏み出します。このときに吸って、次に吐きます。それから踏み出す足の数を増やしていきます。2歩でやってみます。3歩でやってみます。

Q:吸って、吐いて、というパターンですね。

S:3歩の間に吸って、3歩の間に吐いてみましょう。吸うのは鼻から、吐くのは口からです。

M:つまり正しい体勢で、です。

S:そしてこのあとは際限なくこれをやっていくことになります。

M:そうです、10歩で吸って、10歩で吐くなどということも可能です。

Q:どうぞおかけください。

M:警護という分野には興味を持っていまして、私たちは安全のための仕事をしている人たちをトレーニングしています。私は特殊部隊に勤めていましたが、2002年に退職しました。そして2002年から、システマが広まるようになりました。我々の中にはさまざまな種類の……さまざまな国でトレーニングがなされています。アメリカやカナダ、日本、ドイツ、そしてさまざまな特殊部隊の中でシステマが利用されています。カナダでは現在子ども向けの教育機関でシステマを取り入れようとしています。幼稚園などで、です。

Q:それは授業として、ですか。

M:ええ、呼吸を伴った授業です。すでに合意済みの事項でして、近く実現することになります。そして私自身もまた、軍隊活動や特殊活動など多くの事業に参加しています。そのようなわけで、ちょうど90年目の年に多くの出来事がおこるようになりました。

Q:全盛を迎えているわけですね。

M:総合的に判断して、そうだと言えるでしょうね。私と一緒に活動してくれるということに満足をしていて、ときどき謝礼を辞退しています。単に出かけていって、ごはんを食べて、また次の所へ向けて出発する、というような感じです。いろいろありますよ。剣などを使用することがあります。原則としては…。

Q:武器を使った技術もあるのですか?

M:ええ、もちろんです。私のところでは武器を使用するクラスや、ナイフを使ったセミナーを開催しています。張りぼてのナイフを用意してきて、私からいくつかプレゼントしたりします。かばんいっぱいに入れてきて、これをみんなで分けます。それぞれが気に入ったものを取るように、と言います。そのあと、どうしてそのナイフを選んだのか教えてくれ、とこちらから言います。そして各人が選んだ理由を話すのです。「大きいナイフだからこれを選んだ」とか「これは輝きがほかと違ったからだ」とか、「自分は誰かを殺す気は毛頭ないけれど、これが格好よかった」と言ってナイフを見せる者もいます。

Q:(電話での質問)「教えていただきたいことは、どこの地区で何曜日にクラスが開かれているかということです。」

S:はい、これについては週に3回トレーニングを開講しています。アンリバルティウサ通り9、キエフ市内です。ウクライナ宮殿という地下鉄の駅で降りてください。夕方7時から、月、木、土です。

M:ウクライナでは、ほかにペトロフスキー、ネフスキー、ハリコフなどにもクラスがあります。

Q:どうぞお話の続きを聞かせてください。

M:そうでした。各人が、なぜそのナイフを選んだかについて話すのです。ある者は、鋭くて、色を塗ってあるのがあまり気にならなかったからこれがよかったと言って、もし必要なときが訪れたらこれを取り出しますよ、と言っていましたね。つまり各人が武器を使う心理を語るのです。なぜこれを選んだのかという。どのようにこのナイフを使うつもりなのか、ということです。これがとても興味深いのです。それというのも、武器に関してもっとも大事なことは心理なのです。もしナイフを手にした人を目撃したとします。それであなたはその人物の行動を目にして、この人物がどのような威嚇をしてくるだろうかと理解することができるのです。そしてこの人物に対してどのような行動に出るべきなのか、ということです。もちろん分析をする必要があります。必ずしなければいけないことです。これは何なのか、何のためなのか、ということをです。

Q:心理的な側面をここでも重視されるのですね。

M:単純明快です。心理は必要なことの第一番目です。非常に重要な側面です。
どのように振舞うかが問題です。問題にしなければならないことは、もし人が武器を持っていたとして、あなたに対して武器を使うように、この人物を挑発することもできます。私は撃ったりはしません。飛び道具は使いませんが。そして逆に挑発しないこともできるでしょう。もし人を威嚇し始めたならば、この人は恐怖のあまり何をしでかすか分かりませんね。ですからここで恐怖を覚えさせることは、肯定的なものでもあり否定的なものでもあります。しかし恐怖によって自己保存、自分の命を守ることもあります。

Q:恐怖心には、相反する性質があるように感じました。

M:私もそう思います。まずは、恐怖というのが非常に興味深いテーマであるということです。私たちは恐怖という問題に関していくつかDVDを出していますが、これは内なるもの、腹の中にあるものなのです。これは簡単に過ぎ去るような感情ではなくて、人の内面に残り続けるのです。

Q:ミハイルさん、お電話がきました。もしもし。こんばんは。
「こんばんは。先ほど、役割を決めてのトレーニングの様子を見せてくださって、パートナーの一人が、ずっとすばらしい受け身を見せていて、すごくすばらしかった。もう3,4人のパートナーの人たちがデモンストレーションをしている様子を見せてください。」

M:ご質問ありがとうございました。世界中に出かけていってセミナーを開講していますが、いろいろな人が来て、みなさん力を試すのです。今日は5人から9人のグループが来て、みなさん技を試して、スピーリンがその様子を撮影しました。私たちはDVDを発売しようと考えています。そうすれば、わざわざクラスを受けにこなくとも、これを手にとって見ることができます。私たちは、いろいろな人たちと私がトレーニングをしている様子を収めたDVDをたくさん発売しています。みなさん技を試しあっているのです。先ほどの映像では、彼一人にそのような役割を振り当てて、痛めつけているみたいでしたね。ごめんなさい。誤解を与えてしまいましたかね。それに、インターネットで私の苗字「リャブコ」を単に入力していただければ、検索ですぐにたくさんのものが出てくるでしょう。

Q:システマには他にも流派があるのですか?

M:私はアレクセイ・アレクセーヴィッチ(Aleksey Alekseyevich Kadochnikov:カドチニコフスタイルの創始者)を個人的に知っています。尊敬していますし、支持しています。彼もよいシステマを展開していて、私も気に入っています。たしかに100%知っているわけではありませんが、大部分を知っています。しかし私たちのものとはあまり似ていなくて、少し違った原則があるようです。けれどやっていることは似ています。なぜなら人間は腕2本、足2本の動物であって、これらを使ってできることはまあ大体同じようなことですしね。だから似ているのです。

Q:なにか違いがあるのですか?

M:ありますよ、ええ。理論は似ていますが、少し違っています。もちろんそうです。彼のものは独自の、とても興味深く、よく練り上げられた理論で、軍もそれを取り入れて、方法を整備して、ある部分では変更を加えていると聞いています。

Q:残念ながらお別れの時間が近づいてきました。最後に一言お願いいたします。

M:私が申し上げたいことは…、見かけだけだと簡単そうに見えるかもしれません。相手がこちらの意のままに動いていたように感じられると思いますが、これは非常に複雑なのです、うそではありません。世界中で人々があなたに降伏するなどと言うことはできません。腕試しをすることが、結局のところ一番大切なのです。私たちには無傷の箇所はありません。打撃を受けない場所なんてないのです。ですから、戦いを通して、認識を通して上達していくだけです。もちろん、やってみようと思ってくださるといいな、と思いますけれど、もし私たちの対面格闘技というスタイルが気に入らない方は、サッカーとかホッケーとか、バスケットボール、バレーボールなど、どうか躊躇なさらずに、どうか体を動かしてみてください。ご自身のお子さんを参加させてみてください。なぜなら、あなたのお子さんが、あなたがソファーに横たわって、始終「なんだよ、つまらないね」と言って酒を飲んで、わーわー言っているのを見ていたら、その子も将来同じようになるからです。その子もソファーに横たわる大人になります。ですからご自身が体を動かしてください。お子さんとボール遊びをしてください。

Q:本日は古くからロシアに伝わるシステマについてお話を伺いました。ごきげんよう。

Tag:マスターの言葉  Trackback:0 comment:0 

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Author:TKHDKTGW
北川貴英:システマ東京主宰。08年モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより公式システマインストラクターとして認可。16年コンディショニングに特化した「INSTRUCTOR OF APPLIED SYSTEMA」に認可。首都圏を中心に各地で年間400コマ以上を担当。システマ関連書籍を多数執筆。教育機関、医療系シンポジウムなどでのセミナーや各種媒体を通じてシステマを幅広く紹介。今なお毎年欠かさず海外研修に赴きスキル向上に努める。
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