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ダニエル・リャブコセミナー1日目と2日目

9月18日から三日間にわたって開催された、ダニエル・リャブコセミナー。かなり濃くかつものすごく一貫性のある内容でした。三日目には参加できなかったので、情報をお寄せいただければとってもたすかります。

一日目、二日目のおおまかな内容は次の通り。

一日目前半:ウォームアップ…力の流れを切らさず、伝える。
一日目後半:前半の内容を武術テクニックに応用
二日目前半:グラウンドワーク
二日目後半:ナイフワーク

一日目の前半で行われた、呼吸しながらの歩き→ローリングまでの流れは、ウォーミングアップと三日間のベースになる感覚の確認の二つを兼ねたもの。立ったり倒れたりローリングをしたりする時も、流れを切らさず一つの動きで行うことを重視し、その「力の流れ」をさらに確認するために、数珠つなぎになって力を伝える、というドリルに続きました。いずれも大切なのは「よく感じる」こと。「よく感じなさい」というアドバイスはダニエルが度々、口にしていました。

後半にはその感覚を踏まえて、「相手からもらった力を相手に返す」というドリル。

相手から伝えられた力をきちんと受け取る。

力を相手に返す。

力を胸や肩、腰など、狙った場所にピンポイントに返す。

立った状態で行う。

といった感じで、徐々に要求が細かくなってきます。
また、力を丁寧に感じ取る練習は座って行ないました。

二日目の午前はグラウンド・ワーク
ウォームアップはやはりウォーミングアップと、この日のテーマとなる身体の使い方の確認を兼ねたもの。
うつぶせ、仰向け、横臥位などで、手足を使ったり、使わなかったりしながら、体育館の中をぐるぐる回ります。
手足に頼らない、体幹部の動きを養うためのもの。これがのちのグラウンドワークで重要になってきます。

グラウンド・ワークでもダニエル曰く「昨日やったこととおんなじだ」とのこと。
複数の人に乗られ、下敷きになった状態から抜け出すドリル。
下敷き状態でどれだけリラックスし、相手を感じられるかを養うもの。
続いてはパートナーに乗られた状態から、相手に緊張を伝えないように、脱出。
この次、上に乗る人はパートナーの緊張を感じたら、そこに体重をかけて抑えこむようにします。
また、ストレッチ的に相手の関節をとって、関節を痛めるのではなくて相手の全身を動かすように力を加えてみたりなど。

抑えこまれた人は一切の緊張を入れずに動くことで抜け出します。緊張が相手に伝わると、そこから気配が駄々漏れになってしまうからです。すると脱出口を自分でふさいでしまうことになりかねません。
気配を伝えずに動くには、「緊張をしないこと」、そして「全身同時に動くこと」が大切だとか。


続いては「足の使い方」。
倒れた状態で、こちらの足を取ってくる人を足で制します。
相手の関節や頭、腰などを足でついたり、引っ掛けたり、軽く蹴ったり。ダニエルはまるで手のように足を使いこなします。

また足の関節を締め上げられた状態から、身体を動かして技を返したり相手を崩したりするドリルも。

いずれの場合も「リラックスする」「感じる」が重要。ザイコフスキーセミナーととても共通しているような印象を受けました。

先日、来日したシンガポールのローレンスも仕事でモスクワにいった折に本部のシステマクラスに参加したところ、やはり「感じる」ことに主眼をおいた、とても静かでゆっくりと動きを養う内容だったとか。

そして二日目の午後はナイフワーク。
倒れた状態でナイフを避けるところから始まり、最終的には立った状態での攻防になります。
倒れた状態だと、手だけでなく全身で動く必要があります。それを実感し、全身を活用するためにあえて手を使わずに倒れた状態で避けるドリルなども行ないました。
またナイフで床に抑えこまれた状態から脱出するドリルなども。ナイフの場合は特に、相手からの力に逆らうと自分で自分を切ってしまうことにもなりかねません。だから、よりいっそう力の方向を感じ、それに乗って動くのが大切です。

この日は「感じる」と同時に「体幹の動き」が重視されていたようです。手に頼りすぎず、全身を使うということですね。

今回は2日間しか参加しませんでしたが、全体的な感想としてはやはり「丁寧に感じる」というのが大事だということ。ダニエルも言っていたとおり、自分で気づいていない緊張はいくらブリージングしても解消することができません。リラックスを深めるためにもまずは自分自身を感じて、緊張を見つけ出し、それをほぐしていくこと、それをそのまま対人ドリルにも役立てていくのが慣用なのだなあ、ということです。昨年のモスクワ合宿や今年のザイコフスキーセミナー、そして今回のダニエルセミナーを通じて、日本のシステマーのみなさんもずいぶんとモスクワ本校のテイストを感じられたのではないでしょうか。

こうした繊細な感性を要するドリルはえてして繊細な感覚に偏ってしまって、タフネスが失われがちなのですが、いずれのセミナーでもその辺のバランスが見事に保たれていました。今後のクラスではこのあたりもきちんと踏まえておきたいところです。

詳細なメニューはキシタカさんがMixiにアップしてくれたので、それを転載します。

〈一日目〉
セッション1
★呼吸×歩き 1~15歩まで(会場1周で1歩増やす/15まで行ったら1歩づつ減らして行く)
・速く/遅く
・歩幅を小さく/大きく
・目を瞑って。両腕を前に/横に
・後ろ向きで。
・3歩前向き3歩後ろ向き(進行方向は同じ)
・3歩前→3歩後ろ→ローリング

★手を繋いで、引っ張られた力を感じ、遅れない様に、先に動かない様に、進む(回る)。
・2人で
・5人で(ドライバーを決めて)
・10人で。「初めてで10人はちょっと無理があったかも知れません」
・4人で更に丁寧に。

 セッション2
★座った状態で手を繋ぎ、コネクトをブレイクしない様、パートナーを転がす。
 転がされる方も力の方向を感じ、各部に無理が来る前に、動く。
・パートナーに手首(腕)を色々な方向に捻じってもらい、同じ様に(各部に無理が来ない様に)動き続ける。
 亮さんに指捕りで弱点を指摘して貰う(慣れで動いていた為、実は動き始めの時点で逆に身体を捌いていた)。
・2人組で手を繋ぎ、鏡の様に同じ動きをする(お互い握った手に圧力が掛からない様に)。
 ダニィルにアドバイスを貰った流れで、デモンストレーションの受けを取らせて貰う。
・関節ではなく、筋肉自体に作用させて、相手をコントロールしてみる。
 亮さんに指1本で掌を触れられると肘が曲がり、誘導されて転がされてしまった。
・パートナーの任意の場所に緊張を作るデモンストレーション。
 ダニィルに体験させて貰う。
 お互い試す。
・“空中腕相撲状態”から始めて、相手にはこちらの腕を倒そうとする方向へ力をかけられる様に接点圧力を与えておいたまま、いつも間にかこちらが誘導している状態に持って行って崩す、と言うワーク。
 四方向位を試し合いました。

★立った状態で同じ様にして、必要があれば他の部位にも補助的に触れ、崩す。
 ディミートリさんに、手首を掴まれた状態で自分の指を滑らかに動かし(触覚の役割)、掴んでいる人の前腕に繋がる感覚を捉えたら指向性をハッキリさせる、と言う方法を教えて貰う。
 お互い試していた時、亮さんが前腕の動かし方を補助して、感触を伝えてくれた。
「“外の筋肉”では、相手を動かせない。でも、筋力を全く使わなければ動く筈が無い。使うのは“中の筋肉”(相手に情報は伝わらない)。」
 ディミートリさんに、指1本を掴ませるやり方、親指を曲げて握らせる(痛い!)やり方を見せて貰う。
「肩から先が充分にリラックスさせていれば、親指をどんなに握られても痛くない」
 との事。

★サークルアップ(質問コーナー)
・「システマ上達の為に弊習すると良い武道は?」
「逆に、システマが地球上のあらゆるスポーツの上達に役立つ筈」


〈2日目〉
 セッション1
★床に寝たまま移動。
・仰向けで/うつ伏せで→手足を使わずに
・横向きで左半身を下に/右半身を下に→手足を使わずに
・脚と背中を持ち上げ、肩だけで前進/後退
・お尻歩き。前進/後退/左右方向(ジャンプはしないで)

★4人組:1人が仰向けに寝て、3人に、並んで上に寝て貰った状態から抜ける。

★2人組で同じ事を。
・緊張を感じる事、感じさせない事などに気をつける
・逐次アドバイス
・脚をメインに使って
・寝ているパートナーの手や足を使って、全身を動かす。
 痛みを与えるのではなく、作用が伝わる様に。
 ウラヂーミルさんに体験させて貰う。
・パートナーに足首を捻じって貰い、その状態からパートナーを崩す。
・様々な要素(ドリル/注意点)を踏まえて、段々とレスリングに近づけて行く。

★クーリングダウンとして、床をローリングで1周(実際には、途中でOKが出た)

 セッション2
★Dさんが様々な道具を用い、ダニィルとデモンストレーション(20分近く)。
「じゃあ、トレーニングナイフでこの様にやってみよう」

★2人組
・体の動きで避ける
・腕や脚も使ってチャンスがあればディスアーム。
 デモンストレーションで受けを取らせて貰う。
 亮さんにアドバイスを貰う。
・寝た状態で首にナイフを突きつけられ、片腕を掴まれた状態から脱する。
 亮さんにアドバイスを貰う。
・お互い立って、行う。

 質問コーナー
「自分で気付かない事は直せない」


(抜粋終わり)
あと「ダニエルが動いているとき、ブリージングしているように見えないのですが、それはなぜですか?」という質問に対する答え、「私はリラックスしているからわざわざブリージングして緊張を解す必要がないんだ」というのはふるってましたね。

ところでセミナーでの楽しみの一つは、馴染みの人や懐かしい人、初対面の人などなど。日本中のシステマーに会えること。このブログをとても楽しみにしてくださっている方にも声をかけていただけて、とても嬉しかったです。

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Tag:海外セミナーレポート  Trackback:0 comment:0 

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Author:TKHDKTGW
北川貴英:システマ東京主宰。株式会社アトス代表取締役。08年モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより公式システマインストラクターとして認可。16年コンディショニングに特化した「INSTRUCTOR OF APPLIED SYSTEMA」に認可。システマ関連書籍を多数執筆。教育機関、医療系シンポジウムなどでの講演するほか、テレビやラジオなど各種媒体を通じてシステマを幅広く紹介。今なお毎年欠かさず海外研修に赴きスキル向上に努める。ヤングマガジン連載「アンダーニンジャ(花沢健吾著)」、NHKドラマ「ディア・ペイシェント」監修。
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