インストラクターになったいきさつ その1

私は08年の6月にモスクワにて、システマ創始者のミカエル・リャブコからインストラクターとして認可してもらいました。日本人としては2人目です。

1人目はシステマ大阪を率いている大西亮一さん。イギリスに長く住んでいた大西さんは在英中にシステマを学びました。来日したあるシニアインストラクターからも「早くインストラクターの資格をもらえよ」とそそのかされながらも、「まだ実力不足だから」とこれを固辞。07年にミカエル・リャブコ、ヴラデミア・ヴァシリエフ、ダニエル・リャブコのお三方が来日した際に、その実力が認められてインストラクターの資格を手渡されたというホンモノの実力者です。

私はそんな大西さんとは比較にならないほどのへなちょこ。にも関わらずなんでインストラクターになったのか、という疑問を持つ方も多いかと思いますので、ここでは私がインストラクターになった経緯について、お話したいと思います。


私がシステマを始めたのは2005年の終わりでした。月刊秘伝に掲載されていたシステマのシニアインストラクター、アレックス・コスティック氏を招いてのセミナーの記事を読んだのがきっかけです。それまで空手を中心にいろいろな武術や野口整体やホメオパシーを中心とする各種身体論を学んでいましたが、なにか物足りなさを感じていたときのことです。

「システマ」の名はそれ以前にも「合気ニュース」で目にしていたので、知ってはいたのですが「月刊秘伝」の記事はよりシステマの精神面に切り込んだ記事になっていたのです。

「実はこれ、スゴいかもしれない」と思って、ネットで検索してシステマジャパンのサイトを見つけ、参加の申し込みをしたのです。

僕がインストラクターになったのは、2回目となるロシア・キャンプに参加した時でした。この時、僕は約4ヶ月後に第一子の誕生を控えていまして、できれば生まれて来る子供と一緒にシステマを練習したいと思っていました。でもたった2人だけで練習するのも味気ないに違いありません。うちの奥さんは僕と一緒にシステマを始めたので、かなりの使い手ではあるのですが、それでも3人。システマは現代日本の子どもたちの身体性やコミュニケーションを高めるのにも最適だと思いますので、うちの家族だけで楽しむのではなく、いつかシステマのキッズクラスを、日本でやりたいなと思っていたのです。

シベリアやトロントではすでにキッズクラスがスタートしていて、なかなか好評なようです。

というワケでキャンプの最中に僕はミカエルに尋ねました。
「私は子どもたちと一緒にシステマをやりたいと思っています。どのような事に気をつければ良いですか?」と。

そしたらミカエルは即答しました。
「大事なのは“何を教えるか”ではない。“どのように接するか”だ」と

キッズクラスをやる上では、参加する全ての子どもたちに対して、本当の父親のようの接しなさい、と言うのが、ミカエルの答えなのでした。


「なるほど」と僕は思いました。一見簡単そうでいて難しくて、でもとっても大切な感じがします。どんなドリルを組もうか、あれこれと考えていた自分を少しばかり反省しました。
そしたらミカエルが続けて言いました。
「タカは今回のキャンプでインストラクターになる。最終日にプレゼンテーションの機会を与えるから、それに参加しなさい」と。


薮から棒に「インストラクター」という言葉が出ましたので、一瞬キツネにつままれたような心地になりましたが、ミカエルが言うことなのでとりあえず「はい」とだけ答えておきました。


いよいよ最終日。僕は英語があまりよくできません。だからミカエルの言葉も通訳さんの言葉をこちらが聞き間違えてしまったのかなー、なんてその時には思っていたのですが、最終日の終盤に差し掛かって、ミカエルが言いました。「現役のインストラクターと、インストラクター志望の者は集まりなさい」と。

「これのことか」と思いました。ミカエルによるインストラクターの審査がここで行われたのです。僕に対してミカエルは「タカにはインストラクターのライセンスをあげる。でもいちおう、審査を受けてみなさい」と言っていたのですね。

ミカエルによるインストラクター試験って、意外にも実技試験がありません。プレゼンテーションだけなのです。考えてみれば今さら実技試験をやる必要はないのですよね。だってこれまで1週間にわたってトレーニングをともにして、動きなんてさんざんみているわけですから。

このプレゼンテーションに参加したのは、現役インストラクターと志願者をあわせて15人ほど。
僕たちに与えられたプレゼンのお題は「“システマとは何か”を、システマを全く知らない人にも分るように、説明しなさい」というものです。

なんてシビアなことを訊くんだ、と僕は思いました。
システマって一言で言い表すことがとても難しいのです。「システマってどんなの?」と、なんにも知らない人に説明するのは、いつだって苦労します。

僕の順番はだいたい15人中10番目くらい。その間、僕はなんと答えたら良いか、頭をフル回転させて考えました。ただでさえムツカしい質問を、英語で答えなくてはいけないのですから。

Tag:私的システマ随想  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
システマ本部認定クラス
WarriorLogoFullmini.pngrusslogo.jpg
システマ東京案内&問い合わせ先
正規システマクラス「システマ東京」では各種クラスを実施中。いずれも初心者歓迎です。
詳細はクラス情報をご参照下さい。
お問い合わせはContactまで。
プロフィール

TKHDKTGW

Author:TKHDKTGW
北川貴英:システマ東京主宰。08年モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより公式システマインストラクターとして認可。16年コンディショニングに特化した「INSTRUCTOR OF APPLIED SYSTEMA」に認可。首都圏を中心に各地で年間400コマ以上を担当。システマ関連書籍を多数執筆。教育機関、医療系シンポジウムなどでのセミナーや各種媒体を通じてシステマを幅広く紹介。今なお毎年欠かさず海外研修に赴きスキル向上に努める。
システマ東京公式サイト
クラス日程
著書&DVD一覧
公式メルマガ登録フォーム

システマ東京カレンダー
システマ東京巡回ワークショップ
システマ東京による東日本巡回WSです。初心者から経験者まで大歓迎。ご都合つく方ぜひご参加ください。
【広島】11/25(土)システマ広島主催特別クラス
【福岡】11/26(日)システマ九州主催1日セミナー
【札幌】2018/1/4(日)システマ東京主催1日セミナー
ドキュメンタリーDVD「強き祈りの手」
「体力をつけ精神力を高めることで、攻撃しない人間になれるのです」 システマの哲学と軌跡に迫るドキュメンタリーの日本語版。正教との関わりからノンコンタクトワークまで、システマのエッセンスが凝縮された充実の52分。主演:ミカエル・リャブコ 数量限定生産。
システマ書籍
ブログ内検索
最新記事
おすすめショップ
〈システマDVD&システマグッズ〉
システマジャパンショップ
システマ大阪ショップ
QRコード
QRコード
BBS
会員制BBSはコチラ
システマクラスに継続的に参加されている方が対象です。
参加希望の方は「お名前」「所属クラス」「参加期間」を記入の上、フォームよりお申し込みください。