「強さと平和の源泉 ヴラディミア・ヴァシリエフへのインタビュー」

「強さと平和の源泉 ヴラディミア・ヴァシリエフへのインタビュー」

インタビュー者:ロブ・ポイトン(英国カッティング・エッジ・システマ・アカデミー主任インストラクター、システマ・インターナショナル誌編集者)

システマ・インターナショナル(SI):まず、ここにいる全員を代表して、スクール設立20周年をお祝いいたします。素晴らしい成果ですね。初めてトロントで教え始められたとき、世界中にスクールがある今の状況を予測されましたか。

ヴラディミア・ヴァシリエフ(VV):心のこもったお祝いとご支援に感謝します。1993年にトロントで教え始めたときには、特に何かを成し遂げるというつもりはありませんでした。人生の進展はおのずと決まります。現在世界中に、システマを教えているスクールは200箇所以上、インストラクターは500人以上おり、40以上の教育用映像が作成され、定期的なセミナーやキャンプがたくさんの参加者を集めています。もちろん、私はいつも誠実に努力していますが、決まった目標は何もなく、いま言ったような発展に依存することもありません。

SI:これまでいろいろな分野でいろいろな人とトレーニングをなさってきたと思いますが、特にミカエルに引きつけられ、現在トレーニングの源泉となさっているのはどのような理由からですか。

VV:ミカエルがやっていることはいつも興味深く、いつも新しく学ぶことがあります。それがなにより面白いのです。ミカエルの達人ぶりを見て、私ももっと努力しようという気になります。

SI:システマは過去20年間に驚くほど普及しましたが、今後20年間にどのように発展するとお考えですか。

VV:私はすべてのことに神の意志があると信じています。そのような遠い未来について予測するつもりはありません。私は今あるものをありがたく思っています。それは素晴らしい仲間と素晴らしい達成です。私が言えるのは、システマは本当に独自のもので、練習者にとってとても大きな効果があるということです。今後20年間もそれ以後も、多くの人々がシステマから利益を得ることができればいいと思います。

SI:中心となるスクールから人々が散らばっていくにつれて、持ち味が変わっていく恐れはありますか。

VV:人々が「散らばっていく」なら何も問題はありません。私たちは人々に集まるように要求もしないし、去っていく人を止めることもしません。他の方法を試してみるのはいいことです。多くの人たちが戻ってきます。普通は、システマを必要としない人たちは去っていきます。システマを理解できないのです。システマの全体を理解して受け入れることは困難です。多くの人が、このやり方の一部だけを取り入れて、システマを身につけたと思っています。これはシステマにとってよくないことです。

SI:ここ何年か、システマとは全くやり方が異なるいくつかの軍事的流派が人気を集めています。健康と呼吸を重視するシステマが軍事的背景を持つことに驚く人がいると思われますか。

VV:優れた戦士とは健康な戦士です。魂も体も健康である必要があります。システマは人の体を強くするだけでなく、善良さと親切さを高め、恐怖と攻撃性を減らす効果があります。恐怖や攻撃性を持たない優れた戦士は、国を守るために非常に役立ちます。

SI:システマのワークの中には、一般的な武術の方法の対極にあるように見えるものがたくさんあります。たとえば、体の動きを使わない打撃とか、テンションに対してリラクセーションで対処するとか、相手よりも自分を観察するなどです。他の流派から来た人たちに、このような考え方を理解してもらうにはどうすればよいでしょうか。

VV:練習者は、健康と武術の要素との間の緊密な関係に気付くことが必要です。練習者を間違った方向に導く武術がたくさんあります。私の考えでは、そういった武術の教えは健康や生存にとってなんの意味もありません。伝統的な武術は、同時代の人々を守ることを目標としていましたが、今ではそれは失われてしまいました。システマの健全で自然な取り組みと呼吸を基礎とすることで、正しく練習し、闘い、生きる方法を取り戻すことができます。これを理解するには、自分で練習するしかありません。

SI:ヴラディミアさんご自身も年々着実に進歩しているという評価を耳にします。上達し続ける秘訣はなんでしょうか。また、どのような目標を持ってトレーニングしていらっしゃいますか。

VV:おほめいただいてありがたく思います。私の目標は、システマの考え方をより深く理解することです。システマは生きており、常に進歩し続けています。それは私たちが死ぬまで終わりません。多くのシステマインストラクターが、常に自分のスキルを向上させ続けています。例を挙げれば、ロシアのヴァレンティン・タラノフ、パリのジェローム・カディアン、トロントのブレンダン・ゼットラー、そのほかにも大勢います。

SI:トレーニングで、困難に挑戦することと安全性とのバランスをどのように取っておられますか。練習者がどの程度耐えられるかをどうやって判断されるのでしょうか。

VV:とても重要で意味のある質問です。それは非常に難しいことなのです。相手を強く打ったり圧倒したりすると、相手やほかの生徒たちから苦情が出ます。圧倒しなければ、相手は信じてくれません。これはどんなインストラクターにとっても試練です。特に、システマは動きの中でワークをするから余計です。止まった状態で決まったことをやるなら、納得のいく技を見せるのは簡単です。しかし、動きの中でちょうどよい度合いを測り、パートナーが受け入れてくれるワークの程度を見つけるには、本当の技術がいります。相手がどれだけ耐えられるかを判断するのはそれほど難しくなく、練習すればできるようになります。

SI:軍隊でミカエルといっしょにトレーニングされていたときのエピソードを何か聞かせていただけますか。

VV:それを話し出すと長くなります。また別の機会にお話しできるかもしれません。

SI:システマを始める人たち、何年かトレーニングしている人たち、システマを教えている人たちに、それぞれ何かアドバイスをいただけますか。

VV:すべての練習者に対するアドバイスは、辛抱強く行うことです。システマを学ぶことは奥深いプロセスで、あらゆる段階に困難と報酬があります。常に新しい発見が待っており、正しい道をたどっているという奥深い喜びが得られる、素晴らしい体験です。

SI:技術の進歩にもかかわらず、あるいはそれゆえにかもしれませんが、世界はあいかわらず不確実性や悪い出来事でいっぱいです。この困難な、あるいは「興味深い」時代に、システマが人々に何かをもたらすことができると思われますか。

VV:間違いなくできると思います。さっき言ったように断片だけを学ぶのではなく、システマの全体を学べば、無数の応用があります。システマをトレーニングすれば、ストレスと恐怖が減り、健康と明晰な思考が得られます。真の意味で強さと平和の源泉になるのです。 詩篇第23編にこのように書かれています。「死の影さす谷を歩くとも、私は悪を恐れない。あなたが私とともにおられるから。あなたの笞とあなたの杖、それが私の心を安らげる」

SI:ヴラディミアさん、ヴァレリーさん、本日お時間を割いてくださったこと、また20年間のご努力に対して感謝いたします。今後も末永い活躍をお祈りしています。

元の記事はトロント本部ウェブサイトに掲載された「The Source of Strength and Peace」です。

Tag:トレーニングTips日本語版 

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北川貴英:システマ東京主宰。08年モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより公式システマインストラクターとして認可。16年コンディショニングに特化した「INSTRUCTOR OF APPLIED SYSTEMA」に認可。首都圏を中心に各地で年間400コマ以上を担当。システマ関連書籍を多数執筆。教育機関、医療系シンポジウムなどでのセミナーや各種媒体を通じてシステマを幅広く紹介。今なお毎年欠かさず海外研修に赴きスキル向上に努める。
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