「子供にとってのシステマ」by コンスタンチン・コマロフ

「子供にとってのシステマ」
by コンスタンチン・コマロフ ドミトリ・ツルファノフ訳

子供のころ私は、よく自分のアパートの中庭で友達と遊んでいた。この中庭はとても広いので、近所に住んでいた友達がみんな遊びにくるのだ。どの建物にも中庭があったが、うちのがいちばん広くて、サッカー場2つ分くらいあった。遊び場はほかにもたくさんあった。地下室や屋根裏、建築中の建物や庭、近くの工場や倉庫の敷地、そして大人の目が届かないあらゆる種類の狭い場所や入り組んだ一角。

私たちはいろんな遊びをした。よくやったのは戦争ごっこだ。友達はいろいろなおもちゃの武器を持ってきた。木製のマシンガン、剣、弓、ピストルなど。私たちは、見たり聞いたりしたことがあるさまざまな戦争を再現した。そのころ私たちの周りには、あれこれの恐ろしい戦争を体験した退役軍人や生き証人が大勢いたからだ。私たちの戦いは、中庭、地下室、屋根裏、建築中の建物、庭を巡って行われた。ときに私たちは、いろんな種類の銃器や爆発物をこしらえることもあった。使った材料は、マッチ、アルミの削り屑、過マンガン酸塩、硝石、古い弾丸や砲弾の火薬などだ(私が住んでいた街はかつて激戦地だったので、そのような戦争の遺物はよく見つかった)。

私たちは、ルールのあるスポーツ(サッカー、ホッケー、テニスなど)をするよりも、中庭で遊んでいる時間のほうがずっと長かった。中庭での遊びは、自分たちで考え出すだけでなく、年上の子供たちから受け継ぐこともあった。ほとんどの遊びは、あちこち動き回ることからなっていた。動かずに一箇所に坐っているのは、ほんの短い時間でも退屈だった。中庭で遊んでいたこの頃から、私はずっと、子供は体を動かして遊ぶべきだと固く信じている。最近の子供たちはやることが多すぎて、遊ぶ時間が足りない。その傾向は時とともにますますひどくなっていく。

16になっても、私はまだ中庭で遊んでいた。ただし、大きくなると遊びの内容は変わっていった。自転車の代わりにバイクに乗るようになった。鬼ごっこの代わりに、水平の棒の上で闘うようになった。斜面を滑り下りる代わりに、学校の地下室でボクシングや重量挙げをやった。だが、遊びの核心は変わらなかった。遊ぶとは仲間たちを相手に全力を発散することで、私たちはよく、ただそれだけをやっていた。

子供がシステマを始める場合、必要なワークのやり方が大人とは根本的に違う。大人向けのシステマでは通常、個人的な安全と自信の確立が目標となる。幼い子供には、このようなことはまだ重要ではない。子供は結果を気にするよりもトレーニングの過程自体を楽しむことが多い。もちろん、ティーンエイジャーになると話は別で、目標設定が重要な役割を果たし始める。

子供たちのグループを年齢で分けるとすれば、大まかに次のようになるだろう。

7歳まで−親と一緒の少人数のグループで、動きの激しい遊びを使ってトレーニングを始める。あるいは一人ずつを相手にワークを行う。
7歳から13歳まで(中心的な子供クラス)−能動的で動きの激しい発達を促す遊び、専門的なエクセサイズ、そしてたくさんのレスリングを行う。ロシアでは伝統的に、この年齢の子供たちは、遊び、かけっこ、レスリングといったエクセサイズを主に行っていた。
14歳から16歳−システマの基礎を教え始める。専門的なエクセサイズ、レスリング、ストライクを使用する。この年齢の子供は一部の大人向けクラスに参加させてもよいが、それまでは別のグループにしたほうがよい。
16歳を過ぎたら、特別な配慮なしに大人のクラスに参加させてよい。
7歳から13歳までの子供の中心的なグループについて一言。この年齢では遊びが非常に重要だ。遊びを利用し、この年齢の子供たちに固有の特徴を考慮することで、子供の貴重な注意を引きつけながらクラスを生産的に運営できる。

この年齢を対象としたクラスの目標は、重要な身体的・心理的特徴の発見と発達、それに基本的なスキルの養成に置くべきだ。たとえば次のようなことだ。

調和の取れた身体の発達、適切な姿勢
自然な動き、身体のコントロール能力、全身の協調
正しい呼吸
不要な緊張のない動き、必要なときにリラックスする能力
感情と精神のコントロール
スムーズに安全に倒れる能力、痛みの克服
距離の感知と理解
パートナーとの生産的な対話
その他いろいろ…
このようなことは、すべて単純な遊びやエクセサイズを通じて教えられる。一人ずつでも、パートナーやグループといっしょでもよい。このワークの大部分は、競争よりも対話、理解よりも感知に重点を置いて行う。子供は抽象的概念の把握は苦手だが、物事を感じるのは得意だ。この特徴を利用する。

役に立つワークとしては、倒れること、床に寝て動くこと、這うこと(特にパートナーの下から這い出すこと)、押すこと、レスリング、そして一般的に多くの身体的接触を伴うワークが挙げられる。これは、パートナーに対する感受性を養い、適切な運動量を与え、一般的な身体認識を養うことに効果がある。このようなワークを恐れる必要はない。怪我をすることはあまりないからだ。子供は大人よりも柔らかく自然に転ぶことができる。目標は、曲芸的な技や決まった転び方を教えることではなく、自由で、容易で、安全なやり方で地面に倒れ、また起きあがること、倒れることに対する恐怖を体と心から取り除くことだ。決まった動きや構造を教えると、子供は固くなる。子供を自由にさせ、全力でエクセサイズをやらせれば、わずかなヒントと修正だけで正しくやれるようになる。

あまり重視しすぎないほうがいいのは…。

次号に続く。

Youth_Banner-6861c10cf83e2a945920efd32a2d1aec.jpg


元記事は3月2日のトロント本部ニュースレターに掲載された「Kids in Systema」です。

Tag:トレーニングTips日本語版 

システマ本部認定クラス
WarriorLogoFullmini.pngrusslogo.jpg
システマ東京案内&問い合わせ先
正規システマクラス「システマ東京」では各種クラスを実施中。いずれも初心者歓迎です。
詳細はクラス情報をご参照下さい。
お問い合わせはContactまで。
プロフィール

TKHDKTGW

Author:TKHDKTGW
北川貴英:システマ東京主宰。08年モスクワにて創始者ミカエル・リャブコより公式システマインストラクターとして認可。16年コンディショニングに特化した「INSTRUCTOR OF APPLIED SYSTEMA」に認可。首都圏を中心に各地で年間400コマ以上を担当。システマ関連書籍を多数執筆。教育機関、医療系シンポジウムなどでのセミナーや各種媒体を通じてシステマを幅広く紹介。今なお毎年欠かさず海外研修に赴きスキル向上に努める。
システマ東京公式サイト
クラス日程
著書&DVD一覧
公式メルマガ登録フォーム

システマ東京カレンダー
システマ東京巡回ワークショップ
システマ東京による東日本巡回WSです。初心者から経験者まで大歓迎。ご都合つく方ぜひご参加ください。
【広島】11/25(土)システマ広島主催特別クラス
【福岡】11/26(日)システマ九州主催1日セミナー
【札幌】2018/1/4(日)システマ東京主催1日セミナー
ドキュメンタリーDVD「強き祈りの手」
「体力をつけ精神力を高めることで、攻撃しない人間になれるのです」 システマの哲学と軌跡に迫るドキュメンタリーの日本語版。正教との関わりからノンコンタクトワークまで、システマのエッセンスが凝縮された充実の52分。主演:ミカエル・リャブコ 数量限定生産。
システマ書籍
ブログ内検索
最新記事
おすすめショップ
〈システマDVD&システマグッズ〉
システマジャパンショップ
システマ大阪ショップ
QRコード
QRコード
BBS
会員制BBSはコチラ
システマクラスに継続的に参加されている方が対象です。
参加希望の方は「お名前」「所属クラス」「参加期間」を記入の上、フォームよりお申し込みください。