システマセミナーin Moscow 2010開催決定!
モスクワ本部主催セミナーの最新情報、出ました!
「システマセミナーinモスクワ -恐怖の除去-」
日程:2010年9月23日~27日(または28日)
モスクワ本部サイト内の告知ページはこちら。“詳細はお問い合わせください”、とのことのようです。
FEAR ELIMINATION Moscow SYSTEMA seminar September, 23-27 (28) 2010
「システマセミナーinモスクワ -恐怖の除去-」
日程:2010年9月23日~27日(または28日)
モスクワ本部サイト内の告知ページはこちら。“詳細はお問い合わせください”、とのことのようです。
FEAR ELIMINATION Moscow SYSTEMA seminar September, 23-27 (28) 2010
SUMMIT OF MASTERS 2010 詳細発表!
来年夏に実施される、システマ界の大イベント、「SUMMIT OF MASTERS 2010」の詳細がいよいよ発表されました。
参加するマスターはミカエル・リャブコ、ヴラディミア・ヴァシリエフ、コンスタンチン・コマノフの3人。朝7時から夜11時まで、徒手格闘、銃器の扱い、健康法、サバイバル法などなど多岐にわたるトレーニング漬けの日々で、これまでにないシステマ・キャンプになるとのことです。
気になるお値段はと言うと、
2010年3月31までの早期割引価格…US$2,395
2010年6月30日までの春期申し込み割引価格…US$2,695
その後の定価…US$2,995
予約金…$400
という感じです。
詳細については公式ページをチェックしてみてください。
参加するマスターはミカエル・リャブコ、ヴラディミア・ヴァシリエフ、コンスタンチン・コマノフの3人。朝7時から夜11時まで、徒手格闘、銃器の扱い、健康法、サバイバル法などなど多岐にわたるトレーニング漬けの日々で、これまでにないシステマ・キャンプになるとのことです。
気になるお値段はと言うと、
2010年3月31までの早期割引価格…US$2,395
2010年6月30日までの春期申し込み割引価格…US$2,695
その後の定価…US$2,995
予約金…$400
という感じです。
詳細については公式ページをチェックしてみてください。
女性インストラクター、ジャニス・ビショップ
先日、トロントにあるジム「Fight Club」に行ったとき、そこを主催しているシニア・インストラクター、エマニュエルが、あるチラシをくれました。
それはジャニス・ビショップが新しく始めたクラスのもの。彼女はエマニュエルが最初に教えた女性の生徒で、モスクワやトロントでのセミナーにもずいぶん参加し、数年前からインストラクターとして活動しています。その彼女がシステマやフィットネスなどを教える仕事をはじめたようです。
公式サイト「Janice Bishop.com」。
また、メキシコにいるある女性インストラクターは婦警さん。メキシコ市の警察内で警官達にシステマを教え、警官の死亡者数を減らすことに成功したとのことです。女性のシステマインストラクターは数えるほどしか知りませんが、その輪が広がればとても面白いことになりそうです。
ちなみにエマニュエルによる最新の動画はコチラです。今回もたいへんお世話になりました。
それはジャニス・ビショップが新しく始めたクラスのもの。彼女はエマニュエルが最初に教えた女性の生徒で、モスクワやトロントでのセミナーにもずいぶん参加し、数年前からインストラクターとして活動しています。その彼女がシステマやフィットネスなどを教える仕事をはじめたようです。
公式サイト「Janice Bishop.com」。
また、メキシコにいるある女性インストラクターは婦警さん。メキシコ市の警察内で警官達にシステマを教え、警官の死亡者数を減らすことに成功したとのことです。女性のシステマインストラクターは数えるほどしか知りませんが、その輪が広がればとても面白いことになりそうです。
ちなみにエマニュエルによる最新の動画はコチラです。今回もたいへんお世話になりました。
朝日カルチャー新宿1月期の講座募集始まりましたー
いつもたいへんご好評頂いている、朝日カルチャー新宿クラスの募集が始まりました。
・レギュラークラス(隔週金曜日)の詳細&申し込みはコチラ、
(案内文が前回と同じになってますが、後述の通り扱うテーマは異なります修正済です。朝日カルチャーさん、ありがとうございます!)
・一日集中クラス(3月13日)の詳細&申し込みはコチラです。
一日集中クラスのテーマは、システマで一番大事な「呼吸」について。過去2回の集中クラスとテーマは同じですが、内容は違ったものになると思います。
また、レギュラークラスはできるだけさまざまな側面からシステマを体験していただくため、期ごとにテーマを変えています。今回はよりメンタル面に関連した内容を扱う予定です。どのようにして心と体が緊張し、それをどのように除去していくか、ということをやります。とは言え、要するに「呼吸してください」ということなのですけれどもね。
レギュラークラスはおかげさまで10月期も満員御礼となってますので、参加される予定の方はなるべくお早めにお申し込み頂けると確実かと思います。
・レギュラークラス(隔週金曜日)の詳細&申し込みはコチラ、
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・一日集中クラス(3月13日)の詳細&申し込みはコチラです。
一日集中クラスのテーマは、システマで一番大事な「呼吸」について。過去2回の集中クラスとテーマは同じですが、内容は違ったものになると思います。
また、レギュラークラスはできるだけさまざまな側面からシステマを体験していただくため、期ごとにテーマを変えています。今回はよりメンタル面に関連した内容を扱う予定です。どのようにして心と体が緊張し、それをどのように除去していくか、ということをやります。とは言え、要するに「呼吸してください」ということなのですけれどもね。
レギュラークラスはおかげさまで10月期も満員御礼となってますので、参加される予定の方はなるべくお早めにお申し込み頂けると確実かと思います。
11月28日京橋クラスに参加される方への告知
コチラの日記でご紹介した通り、11月28日に銀座京橋にて今回のブリージング・セミナーで学んだことを中心としたクラスを行います。
こちらはあまり体を動かさない静かな内容で、床に寝たり座ったりしてのドリルの時間が長くなりそうなので、寒がりな方は寒かったり床が冷たかったりしても大丈夫なように、長袖Tシャツや手軽な敷物など、寒さ対策をされることをおススメします。
また、時間があればタオルを使ったマッサージもご紹介しますので、興味のある方はバスタオルをご持参ください。
こちらはあまり体を動かさない静かな内容で、床に寝たり座ったりしてのドリルの時間が長くなりそうなので、寒がりな方は寒かったり床が冷たかったりしても大丈夫なように、長袖Tシャツや手軽な敷物など、寒さ対策をされることをおススメします。
また、時間があればタオルを使ったマッサージもご紹介しますので、興味のある方はバスタオルをご持参ください。
ブリージング・セミナー3日目
いよいよ最終日です。メインはナイフワーク。
とは言え技術的なことをほとんどやりません。ナイフに対する「恐怖」をいかに克服して行くか、ということを突き詰めて行きます。それにはナイフを持つ人物との距離感や目のつけ方など、重要な部分を確認しますが、やはり大事なのは「呼吸」です。
武器が介在することで、マインドや精神、身体が変化します。その変化に捉われず、それらのバランスを保ち続けることが大事なのですが、それができるのは「呼吸」だけなのだそうです。
まずウォーミングアップとしては、歩きながらの呼吸。手を挙げたり、前に差し出したりといったさまざまな姿勢で緊張をほぐしつつ、あるきます。また、ステップや受け身にあわせてローリングをします。一歩で吐いて、次は倒れながら吐いて、転がりながら吐いて、立ちながら吐いて、次の一歩で吸って、のように、ちょこっと複雑な動きにあわせて呼吸をしたりもしました。
ナイフワークの始めは、目の付け方の実験。パートナーにナイフをランダムに振ってもらい、それを目で追うのと、相手そのものを見るので、その違いを体感する、というもの。もちろんナイフの動きを追う方が疲れますし、追いきれるものでもありません。
で、次はナイフをゆっくり振る相手とすれ違う、というもの。この時は、相手とすれ違ったあとも、常に相手に向かい続けるというのが大切です。これを、ナイフを振る人が目をつぶったり、ナイフを振る人が近づいて来たり、スピードが速くなったり、ナイフを隠し持たれたり、壁際に追い込まれた状態から始めたり、怒鳴り声をあげながら襲われたり、といったように少しずつ難易度をあげていきます。
ここで面白かったアドバイスが「呼吸に集中しろ」というもの。ナイフを持つ相手に近づく時、近づいてくる時に、バースト・ブリージングを行うのです。そうやって自分の体を意識し続けることで、不思議と恐怖感も軽減されるのです。
また、動きの注意点としては「足から動く」というもの。相手が切ったり突いたりしてくるのをよける時、体を曲げたりよじったりしてよけるのは禁物。常に足から動き、相手との距離を保ちます。それに気をつけつつ、ナイフで突いたりきったりしてくるのをよけたり、相手を倒したりします。
そして練習に関しては「ゆっくり練習すること」の重要性を繰り返し説いていました。身体に注意を向け、ゆっくり動いて緊張を見つけ、それを呼吸でリリースして行き、時おり速い動きの中でどれだけ動けるか検証し、その結果を踏まえて、またゆっくりと練習をするのだ、と言います。
で、ナイフワークの最後は参加者の中から三人を選び、ほかの参加者をめちゃくちゃに襲わせる、というもの。当然、練習でやった通りにはいくわけもなく、みんなナイフの餌食になってしまうのですが、これは「実際はそんなもんだということを認識しろ」というヴァレンティンなりのメッセージなのでした。ただナイフワークの練習を通して、ナイフを持った人に襲われても硬直せず、逃げられるようになるだけでもめっけもんなのだ、ということですね。
シメはおなじみの呼吸を使ったエクササイズと、相手の全身をゆらすマッサージ。寝た相手の肩や足、側面などを丁寧にゆらして、相手の全身を揺らします。揺れが全身に伝わることをきちんと感じるのが大事です。
ヴァレンティンに続いて、ヴラディミアが担当したのは相手の緊張を見つけて使う技術や腹圧の使い方、質疑応答、マッサージなど。
パートナーに緊張を作ってもらい、そこを利用して相手がくずれるようなパンチを打ったり、また、寝たり立ったりした状態で相手が腹部に拳を突き込んでくるのにあわせ、呼気によって腹圧を高めて衝撃を弾きかえす練習をしたりしました。腹圧を高める時には、一切筋肉を使ってはいけません。「なぜ、筋肉を固めて衝撃を弾いてはいけないのか」という解説として、「筋肉だとすき間ができるから」といったことを言っていました。例えば腹筋だと6つに割れていたりしますが、その割れ目から衝撃が入ってしまったりするのです。でもその内側からの内圧なら、風船のように均一ですき間がありません。
また相手の体に緊張がない場合は、背骨を狙うとのこと。といっても背中から背骨を直接打つのではなく、背骨の一点に衝撃が伝わるようにパンチを打ちます。今回はパンチに関してもより細かくリラックスや方向性を指示されました。
ほかにトピックとしては練習中の技の受け方について。
一部の参加者が「柔らかく受けるのはインチキっぽくて抵抗がある」というような、質問がありました。実戦での相手は当然、がちがちに固まっているだろうし、容易に投げたり、崩したりなんてできない。だからガッチリと抵抗した方が、実戦的なのではないですか、ということですね。
これに対してヴラディミアは「やわらかく受けるべき」と答えていました。技を受ける側もより実戦的な受け方をしなくてはいけません。それには、きちんと相手の力の方向を感じ、それに従って動いたり、崩されたりするべきだ、とのことです。その方が、本当の意味で「実戦的だ」との答えでした。とはいえ、このことはなかなか初心者には理解しずらいことでもあるようで、ヴラディミアは「デモンストレーションで相手が軽く吹っ飛ぶように見えるから、すぐにインチキだと思われてしまう」と苦笑いしてました。(北川補足:この「受け」の見事な例としてはDVD「Movement and Precision」)に収録されている、ヴラディミアとセルゲイによるデモンストレーションが挙げられます。柔らかくて的確な受けはお互いの能力を引き出しあうのだ、ということを教えてくれる最高の例だと思います)
あとは仰向けに寝た相手の首にタオルを引っかけ、それをゆすってリラックスさせるマッサージなど。これも首だけをゆするのではなく、相手の足先まできちんと振動が伝わるように、ゆすらなくてはいけません。実はこの、「振動を伝える感覚」というのが、パンチなどにも密接に関わってきます。今回のセミナーではけっこうキャリアの長いインストラクターも大きくストライクを直されていたりしたので、これまでにはあまりなされなかったような段階のことを要求されているようでした。
それと個人的にもヴラディミアに2つほど質問をしました。
ひとつ目は「筋力を一切、使わないエクササイズについて」
去年トロントに来たときから、しばしば「ノーマッスルエクササイズ」というのを教えてもらいました。文字通り、筋力を一切使わずにエクササイズを行うものです。体幹の筋力やいわゆるインナーマッスルと呼ばれるものも一切、使いません。これを今回のセミナーでもしばしばやっていたので、システマ的な体の使い方への理解を深めるうえで、とても重要そうなのです。でもこれが昨年に初めて教えてもらって以来、今ひとつ理解できずにいたのですが、今回のセミナーでなんとなく自分なりの答えがみえてきました。それで、「筋力の代わりに血圧と骨格の構造を使う、という理解で間違いないですか?」と聞いてみたら、「その通り」との答え。「ただ、初心者に教える時には散々疲れさせたうえで教える、という手が有効だ」とのことでした。
もう一つは呼吸の使い方について。「これまで相手の呼吸を読んだり、それを使ったりする技術を学んでいませんが、ゆくゆくはそういった技術が出てくるのですか?」と聞いてみたら、「もちろん。ミカエルなんていつもやっている」との答え。この技術において大事なのは、相手の呼吸に同調しないこと、自分にとって自然な呼吸を保ち続けること、だそうです。相手の呼吸に同調してしまうと、逆に相手にコントロールされてしまうのだとか。とはいえ、これはドリルなどを通して身につける技術ではなく、システマのトレーニングを通じて呼吸への理解を深めて行くことで、自ずとできるようになる類いのものだそうです。ちなみにマッサージをする時も同じなのか聞いてみたら、「自分の呼吸をあわせる必要はない。だが相手がどのように呼吸をしているのか、認識することは重要だ」とのことでした。
そんなこんなで3日間のセミナーは終了です。情報盛りだくさんでした。
また来夏に行われる「SUMMIT OF MASTERS 2010」でも、一部スケジュールは経験者と初心者を分けたクラスが行われるとのこと。どんな内容になるのか、楽しみですね。
とは言え技術的なことをほとんどやりません。ナイフに対する「恐怖」をいかに克服して行くか、ということを突き詰めて行きます。それにはナイフを持つ人物との距離感や目のつけ方など、重要な部分を確認しますが、やはり大事なのは「呼吸」です。
武器が介在することで、マインドや精神、身体が変化します。その変化に捉われず、それらのバランスを保ち続けることが大事なのですが、それができるのは「呼吸」だけなのだそうです。
まずウォーミングアップとしては、歩きながらの呼吸。手を挙げたり、前に差し出したりといったさまざまな姿勢で緊張をほぐしつつ、あるきます。また、ステップや受け身にあわせてローリングをします。一歩で吐いて、次は倒れながら吐いて、転がりながら吐いて、立ちながら吐いて、次の一歩で吸って、のように、ちょこっと複雑な動きにあわせて呼吸をしたりもしました。
ナイフワークの始めは、目の付け方の実験。パートナーにナイフをランダムに振ってもらい、それを目で追うのと、相手そのものを見るので、その違いを体感する、というもの。もちろんナイフの動きを追う方が疲れますし、追いきれるものでもありません。
で、次はナイフをゆっくり振る相手とすれ違う、というもの。この時は、相手とすれ違ったあとも、常に相手に向かい続けるというのが大切です。これを、ナイフを振る人が目をつぶったり、ナイフを振る人が近づいて来たり、スピードが速くなったり、ナイフを隠し持たれたり、壁際に追い込まれた状態から始めたり、怒鳴り声をあげながら襲われたり、といったように少しずつ難易度をあげていきます。
ここで面白かったアドバイスが「呼吸に集中しろ」というもの。ナイフを持つ相手に近づく時、近づいてくる時に、バースト・ブリージングを行うのです。そうやって自分の体を意識し続けることで、不思議と恐怖感も軽減されるのです。
また、動きの注意点としては「足から動く」というもの。相手が切ったり突いたりしてくるのをよける時、体を曲げたりよじったりしてよけるのは禁物。常に足から動き、相手との距離を保ちます。それに気をつけつつ、ナイフで突いたりきったりしてくるのをよけたり、相手を倒したりします。
そして練習に関しては「ゆっくり練習すること」の重要性を繰り返し説いていました。身体に注意を向け、ゆっくり動いて緊張を見つけ、それを呼吸でリリースして行き、時おり速い動きの中でどれだけ動けるか検証し、その結果を踏まえて、またゆっくりと練習をするのだ、と言います。
で、ナイフワークの最後は参加者の中から三人を選び、ほかの参加者をめちゃくちゃに襲わせる、というもの。当然、練習でやった通りにはいくわけもなく、みんなナイフの餌食になってしまうのですが、これは「実際はそんなもんだということを認識しろ」というヴァレンティンなりのメッセージなのでした。ただナイフワークの練習を通して、ナイフを持った人に襲われても硬直せず、逃げられるようになるだけでもめっけもんなのだ、ということですね。
シメはおなじみの呼吸を使ったエクササイズと、相手の全身をゆらすマッサージ。寝た相手の肩や足、側面などを丁寧にゆらして、相手の全身を揺らします。揺れが全身に伝わることをきちんと感じるのが大事です。
ヴァレンティンに続いて、ヴラディミアが担当したのは相手の緊張を見つけて使う技術や腹圧の使い方、質疑応答、マッサージなど。
パートナーに緊張を作ってもらい、そこを利用して相手がくずれるようなパンチを打ったり、また、寝たり立ったりした状態で相手が腹部に拳を突き込んでくるのにあわせ、呼気によって腹圧を高めて衝撃を弾きかえす練習をしたりしました。腹圧を高める時には、一切筋肉を使ってはいけません。「なぜ、筋肉を固めて衝撃を弾いてはいけないのか」という解説として、「筋肉だとすき間ができるから」といったことを言っていました。例えば腹筋だと6つに割れていたりしますが、その割れ目から衝撃が入ってしまったりするのです。でもその内側からの内圧なら、風船のように均一ですき間がありません。
また相手の体に緊張がない場合は、背骨を狙うとのこと。といっても背中から背骨を直接打つのではなく、背骨の一点に衝撃が伝わるようにパンチを打ちます。今回はパンチに関してもより細かくリラックスや方向性を指示されました。
ほかにトピックとしては練習中の技の受け方について。
一部の参加者が「柔らかく受けるのはインチキっぽくて抵抗がある」というような、質問がありました。実戦での相手は当然、がちがちに固まっているだろうし、容易に投げたり、崩したりなんてできない。だからガッチリと抵抗した方が、実戦的なのではないですか、ということですね。
これに対してヴラディミアは「やわらかく受けるべき」と答えていました。技を受ける側もより実戦的な受け方をしなくてはいけません。それには、きちんと相手の力の方向を感じ、それに従って動いたり、崩されたりするべきだ、とのことです。その方が、本当の意味で「実戦的だ」との答えでした。とはいえ、このことはなかなか初心者には理解しずらいことでもあるようで、ヴラディミアは「デモンストレーションで相手が軽く吹っ飛ぶように見えるから、すぐにインチキだと思われてしまう」と苦笑いしてました。(北川補足:この「受け」の見事な例としてはDVD「Movement and Precision」)に収録されている、ヴラディミアとセルゲイによるデモンストレーションが挙げられます。柔らかくて的確な受けはお互いの能力を引き出しあうのだ、ということを教えてくれる最高の例だと思います)
あとは仰向けに寝た相手の首にタオルを引っかけ、それをゆすってリラックスさせるマッサージなど。これも首だけをゆするのではなく、相手の足先まできちんと振動が伝わるように、ゆすらなくてはいけません。実はこの、「振動を伝える感覚」というのが、パンチなどにも密接に関わってきます。今回のセミナーではけっこうキャリアの長いインストラクターも大きくストライクを直されていたりしたので、これまでにはあまりなされなかったような段階のことを要求されているようでした。
それと個人的にもヴラディミアに2つほど質問をしました。
ひとつ目は「筋力を一切、使わないエクササイズについて」
去年トロントに来たときから、しばしば「ノーマッスルエクササイズ」というのを教えてもらいました。文字通り、筋力を一切使わずにエクササイズを行うものです。体幹の筋力やいわゆるインナーマッスルと呼ばれるものも一切、使いません。これを今回のセミナーでもしばしばやっていたので、システマ的な体の使い方への理解を深めるうえで、とても重要そうなのです。でもこれが昨年に初めて教えてもらって以来、今ひとつ理解できずにいたのですが、今回のセミナーでなんとなく自分なりの答えがみえてきました。それで、「筋力の代わりに血圧と骨格の構造を使う、という理解で間違いないですか?」と聞いてみたら、「その通り」との答え。「ただ、初心者に教える時には散々疲れさせたうえで教える、という手が有効だ」とのことでした。
もう一つは呼吸の使い方について。「これまで相手の呼吸を読んだり、それを使ったりする技術を学んでいませんが、ゆくゆくはそういった技術が出てくるのですか?」と聞いてみたら、「もちろん。ミカエルなんていつもやっている」との答え。この技術において大事なのは、相手の呼吸に同調しないこと、自分にとって自然な呼吸を保ち続けること、だそうです。相手の呼吸に同調してしまうと、逆に相手にコントロールされてしまうのだとか。とはいえ、これはドリルなどを通して身につける技術ではなく、システマのトレーニングを通じて呼吸への理解を深めて行くことで、自ずとできるようになる類いのものだそうです。ちなみにマッサージをする時も同じなのか聞いてみたら、「自分の呼吸をあわせる必要はない。だが相手がどのように呼吸をしているのか、認識することは重要だ」とのことでした。
そんなこんなで3日間のセミナーは終了です。情報盛りだくさんでした。
また来夏に行われる「SUMMIT OF MASTERS 2010」でも、一部スケジュールは経験者と初心者を分けたクラスが行われるとのこと。どんな内容になるのか、楽しみですね。
ブリージング・セミナー2日目
今回のセミナーはこれまでとはずいぶんと毛色が違った感じです。まず、汗をかきません(笑
もちろん、システマのトレーニングはしんどければ良い、というものではありません。動きの正確さやどれだけ自分自身を深く知っているか、ということがとても大事になってきます。現在はシステマがずいぶんと世に広まり、システマとはどういうものか、ということを理解する人も増えて来たので、その理解を進め
るのが狙いなのかな、と思ったりしました。
今日、おこなったのはストライクやグラップといった、武術的な技術の徹底的な見直しです。
パンチを打たれる時、打つ時、打とうとする時、グラップされる時、された時、されようとする時などなど、さまざまな局面において、どれだけ身体に緊張が生まれてしまうか、ということを丁寧に検証し、それをどうやって解していくのか、そしてそれを解すことでどんなことができるようになるのか、ということをやりました。
まずは前日行ったような、呼吸の停止とバースト・ブリージングを組み合わせたウォーミングアップ。続いては相手を押し込むドリル。相手に拳をめり込ませていくのですが、緊張が発生した瞬間に拳を止め、そのプレッシャーをキープしつつ、緊張した部位を解します。その後にさらに拳を突き入れて、再びリラックス。これを繰り返します。この時、ついつい足を踏ん張りがちなので、座ったり、寝たりしても行います。
あとは胴体をリラックスさせたまま、腕や足だけを動かすトレーニング。
これはパートナーに腕や足を持ってもらうのですが、腕や足につられて胴体まで固まると、動きがつかえてしまいます。そこで呼吸をして、胴体の緊張をほぐして行きます。似たドリルは以前、モスクワでも行い、前期の朝日カルチャーでも「末端の力」と称して紹介したのですが、それをずっと深めたようなものでした。
続いてはこの2つの体の使い方を合体させて、相手を押すエクササイズ。座ったり、寝たりしながら。
あと、拳で相手の全身をとらえてプッシュするのと、そうでないプッシュの違いを検証したりしました。
で、ヴァレンティンもまた同様のコンセプトのドリルを。
他者の攻撃に対してどのように緊張してしまうかを知り、それを解していきます。
ヴァレンティンによると、緊張の中心となりがちなのが、拳や膀胱、肛門といった下腹部のあたり。
まずはそこに力をこめ、呼吸と共にリラックスする、というエクササイズを。
続いて腹部全体に拳を入れて行くマッサージ。この時も受ける側は呼吸を限界まで止める→バーストブリージング、という今回のセミナー特有の呼吸を行います。バーストブリージングの時に、お腹をちょっと激しく拳で解したり、パンチを入れたりします。
次はパートナーと何パターンかの距離で向かい合い、快適な位置を探します。自分が相手をコントロールしやすい距離ですね。その距離を見つけたら、相手の肩に手を置き、おかれた側は相手の緊張を探って、力をいれないように気をつけながら、プッシュします。
あとはプッシュが強くなったり、パンチになったり、つかんでくるのが早くなったり、といったパリエーションです。常に緊張を意識し、見つけ次第リラックスするのが大事です。なので、それができるくらい、ゆっくりと丁寧な練習をこころがけます。それと、今日は寝た状態でさまざまな体位をとり、息を止める→バーストの呼吸で体をほぐしたり。
最後はヴラディミアのリードで、この日に学んだことを全て活かして、つかんでくる相手を崩したり、パンチをしたりといったドリル。
とまあ、今回のセミナーは徹底的に自分の緊張をAnalyzeし、解消していくのがテーマなのです。
それと個人的に意外な発見だったのが、「blood pressure」という言葉の意味。直訳すると「血圧」なので、コレステロール値があがると上がってしまったり、寝起きの女性が低かったりするアレかと思っていたのですが、そうすると、話の辻褄がどうもあわない部分が出てくるのです。
今回のセミナーではひんぱんにblood pressureという言葉が出てくるのでとても気になっていたのですが、これは一般的な意味とはちょっと違って、呼吸が与える血液への圧力のことを言っているようなのです。前者の意味だと、呼吸によって交感神経、副交感神経を制御して、心臓の脈拍や血圧をコントロールする、という意味になります。もちろん、それもあるのですが、どうも呼吸によって血流そのものを動かし、筋肉に代わる動力とする、といった感じなのです。例えばパンチをする時であれば、筋肉の収縮で打つのではなく、拳に血液をどっと送り込んだ力で打つ、といったニュアンスでしょうか。体は筋力や骨、重力で動くものと思っていた私には、この発想はとても斬新でした。
まあ、ちょっと文章だと表現しにくいのですけれども、そのことに気づいたおかげで、ずいぶんとシステマ的な身体観が理解できたように思えます。その辺は明日あたり、もうちょっと理解を深めたいところです。
ただ、今回のセミナーでやった呼吸法はビギナーの方にはあんまりこればかり教えないように、とのこと。なぜかというと、これはある程度、「システマとはなにか?」ということを理解した人達が、その理解を深めるために用いるひとつの方便であって、初心者への導入ではないから、ということです。
ほかに印象に残った言葉は次のような感じ。ヴァレンティンとヴラディミアは良いことをたくさん言っていたはずなのですが、北川の英語力の問題でずいぶんと聞き漏らしています。あとで一緒に参加したIさんにも色々と教えてもらおうと思ってます。
今日はヴァレンティンのお話からの抜粋がメインですね。
「体を鍛えるのはあくまでも二の次。目的はメンタルを鍛えるということ」
「指導をする時、生徒にムリに限界を超えさせてはいけない。呼吸をしていれば、自ずと徐々に超えて行く」
「骨盤が柔らかく動くのが大事。ここが固まると足なども固まり、パンチを受けた時にダメージが残ってしまう」
「首、胸、腹部には目に見えない緊張が起こりやすい。これらは動きを妨げる」
「サイキ、感情、身体の各階層に緊張が起こる。これらはキャベツの葉っぱのように、積み重なっていく」
「温度差もまた、身体へのストレスとなる。例えば寒い時には身体の機能が低下し、極寒の中では20分もすると死んでしまうこともある。呼吸によって機能の低下を防げば、体温も発生して、なん時間かは生き延びることができる」
もしかしたら今回のセミナーもDVD化されるかも知れませんので、楽しみです。
もちろん、システマのトレーニングはしんどければ良い、というものではありません。動きの正確さやどれだけ自分自身を深く知っているか、ということがとても大事になってきます。現在はシステマがずいぶんと世に広まり、システマとはどういうものか、ということを理解する人も増えて来たので、その理解を進め
るのが狙いなのかな、と思ったりしました。
今日、おこなったのはストライクやグラップといった、武術的な技術の徹底的な見直しです。
パンチを打たれる時、打つ時、打とうとする時、グラップされる時、された時、されようとする時などなど、さまざまな局面において、どれだけ身体に緊張が生まれてしまうか、ということを丁寧に検証し、それをどうやって解していくのか、そしてそれを解すことでどんなことができるようになるのか、ということをやりました。
まずは前日行ったような、呼吸の停止とバースト・ブリージングを組み合わせたウォーミングアップ。続いては相手を押し込むドリル。相手に拳をめり込ませていくのですが、緊張が発生した瞬間に拳を止め、そのプレッシャーをキープしつつ、緊張した部位を解します。その後にさらに拳を突き入れて、再びリラックス。これを繰り返します。この時、ついつい足を踏ん張りがちなので、座ったり、寝たりしても行います。
あとは胴体をリラックスさせたまま、腕や足だけを動かすトレーニング。
これはパートナーに腕や足を持ってもらうのですが、腕や足につられて胴体まで固まると、動きがつかえてしまいます。そこで呼吸をして、胴体の緊張をほぐして行きます。似たドリルは以前、モスクワでも行い、前期の朝日カルチャーでも「末端の力」と称して紹介したのですが、それをずっと深めたようなものでした。
続いてはこの2つの体の使い方を合体させて、相手を押すエクササイズ。座ったり、寝たりしながら。
あと、拳で相手の全身をとらえてプッシュするのと、そうでないプッシュの違いを検証したりしました。
で、ヴァレンティンもまた同様のコンセプトのドリルを。
他者の攻撃に対してどのように緊張してしまうかを知り、それを解していきます。
ヴァレンティンによると、緊張の中心となりがちなのが、拳や膀胱、肛門といった下腹部のあたり。
まずはそこに力をこめ、呼吸と共にリラックスする、というエクササイズを。
続いて腹部全体に拳を入れて行くマッサージ。この時も受ける側は呼吸を限界まで止める→バーストブリージング、という今回のセミナー特有の呼吸を行います。バーストブリージングの時に、お腹をちょっと激しく拳で解したり、パンチを入れたりします。
次はパートナーと何パターンかの距離で向かい合い、快適な位置を探します。自分が相手をコントロールしやすい距離ですね。その距離を見つけたら、相手の肩に手を置き、おかれた側は相手の緊張を探って、力をいれないように気をつけながら、プッシュします。
あとはプッシュが強くなったり、パンチになったり、つかんでくるのが早くなったり、といったパリエーションです。常に緊張を意識し、見つけ次第リラックスするのが大事です。なので、それができるくらい、ゆっくりと丁寧な練習をこころがけます。それと、今日は寝た状態でさまざまな体位をとり、息を止める→バーストの呼吸で体をほぐしたり。
最後はヴラディミアのリードで、この日に学んだことを全て活かして、つかんでくる相手を崩したり、パンチをしたりといったドリル。
とまあ、今回のセミナーは徹底的に自分の緊張をAnalyzeし、解消していくのがテーマなのです。
それと個人的に意外な発見だったのが、「blood pressure」という言葉の意味。直訳すると「血圧」なので、コレステロール値があがると上がってしまったり、寝起きの女性が低かったりするアレかと思っていたのですが、そうすると、話の辻褄がどうもあわない部分が出てくるのです。
今回のセミナーではひんぱんにblood pressureという言葉が出てくるのでとても気になっていたのですが、これは一般的な意味とはちょっと違って、呼吸が与える血液への圧力のことを言っているようなのです。前者の意味だと、呼吸によって交感神経、副交感神経を制御して、心臓の脈拍や血圧をコントロールする、という意味になります。もちろん、それもあるのですが、どうも呼吸によって血流そのものを動かし、筋肉に代わる動力とする、といった感じなのです。例えばパンチをする時であれば、筋肉の収縮で打つのではなく、拳に血液をどっと送り込んだ力で打つ、といったニュアンスでしょうか。体は筋力や骨、重力で動くものと思っていた私には、この発想はとても斬新でした。
まあ、ちょっと文章だと表現しにくいのですけれども、そのことに気づいたおかげで、ずいぶんとシステマ的な身体観が理解できたように思えます。その辺は明日あたり、もうちょっと理解を深めたいところです。
ただ、今回のセミナーでやった呼吸法はビギナーの方にはあんまりこればかり教えないように、とのこと。なぜかというと、これはある程度、「システマとはなにか?」ということを理解した人達が、その理解を深めるために用いるひとつの方便であって、初心者への導入ではないから、ということです。
ほかに印象に残った言葉は次のような感じ。ヴァレンティンとヴラディミアは良いことをたくさん言っていたはずなのですが、北川の英語力の問題でずいぶんと聞き漏らしています。あとで一緒に参加したIさんにも色々と教えてもらおうと思ってます。
今日はヴァレンティンのお話からの抜粋がメインですね。
「体を鍛えるのはあくまでも二の次。目的はメンタルを鍛えるということ」
「指導をする時、生徒にムリに限界を超えさせてはいけない。呼吸をしていれば、自ずと徐々に超えて行く」
「骨盤が柔らかく動くのが大事。ここが固まると足なども固まり、パンチを受けた時にダメージが残ってしまう」
「首、胸、腹部には目に見えない緊張が起こりやすい。これらは動きを妨げる」
「サイキ、感情、身体の各階層に緊張が起こる。これらはキャベツの葉っぱのように、積み重なっていく」
「温度差もまた、身体へのストレスとなる。例えば寒い時には身体の機能が低下し、極寒の中では20分もすると死んでしまうこともある。呼吸によって機能の低下を防げば、体温も発生して、なん時間かは生き延びることができる」
もしかしたら今回のセミナーもDVD化されるかも知れませんので、楽しみです。
ブリージング・セミナー1日目
さきほどトロントで実施されているブリージング・セミナーの1日目が終了。メモがてら内容をざっと書いて行きます。自分のあたまを整理する目的も含まれていますので、いくぶん読みにくい文章をなってしまうことをご容赦ください。
今回のセミナーは午後12時から6時までノンストップでぶっ通し、というちょっとスゴいスケジュール。今回は先週末と今週末に同じ内容で2回、同じセミナーが開催されるのですが、パート1の参加者によると「今回は情報量がスゴい。ICレコーダーを用意しとけ」とのこと。その言葉通り、いつになく解説が多いセミナーでした。ビザ発給の関連で参加出来なくなってしまったロシアのマスター、ヴァレンティン・タラノフはなんとSkypeで登場。Skype越しに質問に答え、ドリルの指示を出していました。テクノロジーですねー。
さて内容はと言うと、呼吸が免疫系、循環系、神経系、精神面など、人間にとって重要なあらゆるシステムに深く関連している、という医学的な話を踏まえつつ、システマ的な呼吸のエクササイズを中心に行いました。
今回、特徴的なのは「普通に呼吸→限界まで息を止める→バーストブリージングで呼吸を快復」という工程のエクササイズをたくさん行ったこと。歩きながらや、さまざまな姿勢、状況でこれを行います。
まずは歩きながら。さまざまな速度で歩いたり、走ったりしながら、自分の身体を“分析”します。動きにともなってどんな緊張が生まれるのか、丁寧に観察して行くのです。これを「4つの呼吸の止め方(後述)」で行い、それぞれ違いも確かめます。息の止め方によっても、現れてくる緊張が異なります。それらを全て見つけ、解していくのですね。そのようにして呼吸のあらゆる側面を使って、徹底的に緊張を洗い出し、除去して行くのが今回のテーマのようです。
歩きながら軽く呼吸をしてリラックスし、4種類の息の止め方のいずれかで息を止め、限界までそれを続け、限界に達したら小刻みな呼吸とジョグで呼吸を整えます。
ヴァレンティンはこれの静的なバージョンを指導。
プッシュアップの姿勢で呼吸を整え、息を止める。そのまま限界までガマンし、限界に達したら、小刻みな呼吸をしながら可能な限りゆっくりと、下がる。上がるときも同様に。同様にして横伏位、うつぶせ、あおむけ、スクワット、シットアップ、レッグレイズといった定番のエクササイズから、開脚して身体を前に倒したりなどなど、さまざまなストレッチ的な姿勢で行ったりします。姿勢によっても生まれる緊張がことなります。それらもできるだけたくさんあぶり出して、呼吸によって解除して行くのです。このあたりはさながらヨガのエクササイズのようで面白かったです。
続いては三人組で。これもヴァレンティンがリード。
一人の両腕を残り二人が同じ方向に捻った状態で、同様のことを行います。
腕を捻られたまま立った状態で息を止め、限界に達したらゆっくりとしゃがみ、呼吸を整え、再び息を止め、限界に達したらゆっくりと立ち上がる、というもの。背中をできるだけ地面と垂直に保ちます。
続いては、こうしてゆるめた身体をいかにして格闘技に応用するか、というもの。
まず二人が向かい合って、一人が適当に手を動かします。そしてもう一人はそれをマネします。
この時、相手の動きを目で見て動きを真似るのではなく、身体で相手の緊張を感じ、なるべくなんにも考えないで動きを追うのがポイントです。だからあまり細かいところまで気にしなくてもかまいません。
これを同様にステップで行います。相手との距離を一定に保ちながら、相手のステップにともなう緊張を感じ、ぴったりとついていきます。常に呼吸を忘れず、自分の体の緊張を解し続けます。
次にこれを少し発展させます。ステップをリードする側は、時おり不意に相手に接近します。リードされる側はそれも感じ、同様に距離を保ちます。
次はちょっと目先を変えて、相手に正面から両手で突き飛ばされるドリル。相手に押されて後ろに下がるときも、全身の力をぬいて、姿勢をくずさずまっすぐ後ずさりするように。今回の対人ドリルは、組んだ人による感触の違い、それによって生まれる緊張の違いなどを体験するために、ひんぱんにパートナーを変えて行います。
次はもうちょっと繊細に。
突き飛ばされる直前、ついつい身構えて緊張が生まれてしまいます。それを感じるため、突き飛ばす側はいったん相手に軽く触れ、その後にそのまま突き飛ばします。この時も身体にいっさい緊張がうまれないように。足が固まっていたりすると、仰け反ったりしてしまいます。
次は前段の相手との距離を保つワークと組み合わさります。手を伸ばして触れてくる相手に対して、距離を保ちます。これも相手の緊張を見るのではなく、感じることで行います。相手との距離によっても「身体の快適さ」が異なります。身体が常に快適でいられる距離を保つのです。
次はお互いに押し合います。呼吸を忘れないように。身体が緊張しないように。
続いてはこれを集団で。
これにさらにセミナー序盤~中盤にかけておこなったエクササイズが組み合わさります。
息を止めて部屋の中央に集まり、お互いに押し合って、息が限界に達したら小刻みに呼吸をしながら部屋をジョグでまわり、呼吸を整え緊張をとります。で、呼吸が快復したらまた中央に行って押し合います。これをつかみ合いでも行いました。
だいたい、こんな流れで終了です。
第一部に出た人によると、2日目は徒手格闘への応用、3日目はナイフなどちょっと特殊な状況への応用を扱うとのこと。今からとても楽しみです。
その他、ヴラディミアとヴァレンティンが言っていた言葉を色々と列記します。ついでなのでセミナー前に参加したヴラディミアのクラスの言葉も加えておきます。セミナー内容と関連するトレーニングがたいはんだったので。
「身体は吸う時に緊張し、吐く時にリラックスするようにできている。これを使って身体の緊張をとる」
「口呼吸は緊張、鼻呼吸はリラックスを司る。そのバランスをとるため、鼻で吸って口で吐く」
→これに関連して、試しに口で息を吸って、その時の自分の緊張や気分を観察する実験を行いました。
「息を止めるやり方は4種類ある。それは『吐ききって止める、吸いきって止める、適度に吐いて止める、適度に吸って止める』」。
「Analyzeする。自分の緊張や血圧など、全てを」(“Analyze”は今回、特に口酸っぱくヴラディミアが口にしていた言葉です)
「敵に対した時にはつい、相手の身体の大きさや攻撃の仕方など、相手について分析したくなってしまう。だがそれは徒に相手への恐怖心を高め『強そうでイヤだな』、と思ってしまうのがオチだ。だからそのような不毛なことはせず、相手ではなく常に自分の身体を分析するのだ(かといって自分の内面世界に引きこもるのも良くない。外界の観察とのバランスも大事)」
「頭は身体からの情報を受け取るものであって、身体を支配するものではない。意識によって身体を動かそうとすること、それ自体が緊張を生む」
目の使い方について
「視野は左右におよそ180度、上下はおよそ90度くらいの範囲をカバーする。それら全体をなんとなく眺める。そうすると、パッと生まれた相手の緊張に気づきやすくなる。(例えば、動きとは直接関連なさそうな部分が、なんらかの動きを支えるために緊張したりする。例えば手を動かすために、足を踏ん張ってしまう場合などがそうだ。相手をじっと見てしまうと、そういった緊張に気づくことができない)」
などなど。ただ、今回はトークがかなり多かったので、英語の聞き取りがそれほど得意でない北川には聞き間違いや聞き漏らしが多々あるはずのですので、日本で練習に励む皆さんは日本からのもう一人での参加者で英語の堪能なIさんにもじっくりとお話を聞くと良いでしょう。内容がずいぶん補完されるのではないかと思います。
今回のセミナーは午後12時から6時までノンストップでぶっ通し、というちょっとスゴいスケジュール。今回は先週末と今週末に同じ内容で2回、同じセミナーが開催されるのですが、パート1の参加者によると「今回は情報量がスゴい。ICレコーダーを用意しとけ」とのこと。その言葉通り、いつになく解説が多いセミナーでした。ビザ発給の関連で参加出来なくなってしまったロシアのマスター、ヴァレンティン・タラノフはなんとSkypeで登場。Skype越しに質問に答え、ドリルの指示を出していました。テクノロジーですねー。
さて内容はと言うと、呼吸が免疫系、循環系、神経系、精神面など、人間にとって重要なあらゆるシステムに深く関連している、という医学的な話を踏まえつつ、システマ的な呼吸のエクササイズを中心に行いました。
今回、特徴的なのは「普通に呼吸→限界まで息を止める→バーストブリージングで呼吸を快復」という工程のエクササイズをたくさん行ったこと。歩きながらや、さまざまな姿勢、状況でこれを行います。
まずは歩きながら。さまざまな速度で歩いたり、走ったりしながら、自分の身体を“分析”します。動きにともなってどんな緊張が生まれるのか、丁寧に観察して行くのです。これを「4つの呼吸の止め方(後述)」で行い、それぞれ違いも確かめます。息の止め方によっても、現れてくる緊張が異なります。それらを全て見つけ、解していくのですね。そのようにして呼吸のあらゆる側面を使って、徹底的に緊張を洗い出し、除去して行くのが今回のテーマのようです。
歩きながら軽く呼吸をしてリラックスし、4種類の息の止め方のいずれかで息を止め、限界までそれを続け、限界に達したら小刻みな呼吸とジョグで呼吸を整えます。
ヴァレンティンはこれの静的なバージョンを指導。
プッシュアップの姿勢で呼吸を整え、息を止める。そのまま限界までガマンし、限界に達したら、小刻みな呼吸をしながら可能な限りゆっくりと、下がる。上がるときも同様に。同様にして横伏位、うつぶせ、あおむけ、スクワット、シットアップ、レッグレイズといった定番のエクササイズから、開脚して身体を前に倒したりなどなど、さまざまなストレッチ的な姿勢で行ったりします。姿勢によっても生まれる緊張がことなります。それらもできるだけたくさんあぶり出して、呼吸によって解除して行くのです。このあたりはさながらヨガのエクササイズのようで面白かったです。
続いては三人組で。これもヴァレンティンがリード。
一人の両腕を残り二人が同じ方向に捻った状態で、同様のことを行います。
腕を捻られたまま立った状態で息を止め、限界に達したらゆっくりとしゃがみ、呼吸を整え、再び息を止め、限界に達したらゆっくりと立ち上がる、というもの。背中をできるだけ地面と垂直に保ちます。
続いては、こうしてゆるめた身体をいかにして格闘技に応用するか、というもの。
まず二人が向かい合って、一人が適当に手を動かします。そしてもう一人はそれをマネします。
この時、相手の動きを目で見て動きを真似るのではなく、身体で相手の緊張を感じ、なるべくなんにも考えないで動きを追うのがポイントです。だからあまり細かいところまで気にしなくてもかまいません。
これを同様にステップで行います。相手との距離を一定に保ちながら、相手のステップにともなう緊張を感じ、ぴったりとついていきます。常に呼吸を忘れず、自分の体の緊張を解し続けます。
次にこれを少し発展させます。ステップをリードする側は、時おり不意に相手に接近します。リードされる側はそれも感じ、同様に距離を保ちます。
次はちょっと目先を変えて、相手に正面から両手で突き飛ばされるドリル。相手に押されて後ろに下がるときも、全身の力をぬいて、姿勢をくずさずまっすぐ後ずさりするように。今回の対人ドリルは、組んだ人による感触の違い、それによって生まれる緊張の違いなどを体験するために、ひんぱんにパートナーを変えて行います。
次はもうちょっと繊細に。
突き飛ばされる直前、ついつい身構えて緊張が生まれてしまいます。それを感じるため、突き飛ばす側はいったん相手に軽く触れ、その後にそのまま突き飛ばします。この時も身体にいっさい緊張がうまれないように。足が固まっていたりすると、仰け反ったりしてしまいます。
次は前段の相手との距離を保つワークと組み合わさります。手を伸ばして触れてくる相手に対して、距離を保ちます。これも相手の緊張を見るのではなく、感じることで行います。相手との距離によっても「身体の快適さ」が異なります。身体が常に快適でいられる距離を保つのです。
次はお互いに押し合います。呼吸を忘れないように。身体が緊張しないように。
続いてはこれを集団で。
これにさらにセミナー序盤~中盤にかけておこなったエクササイズが組み合わさります。
息を止めて部屋の中央に集まり、お互いに押し合って、息が限界に達したら小刻みに呼吸をしながら部屋をジョグでまわり、呼吸を整え緊張をとります。で、呼吸が快復したらまた中央に行って押し合います。これをつかみ合いでも行いました。
だいたい、こんな流れで終了です。
第一部に出た人によると、2日目は徒手格闘への応用、3日目はナイフなどちょっと特殊な状況への応用を扱うとのこと。今からとても楽しみです。
その他、ヴラディミアとヴァレンティンが言っていた言葉を色々と列記します。ついでなのでセミナー前に参加したヴラディミアのクラスの言葉も加えておきます。セミナー内容と関連するトレーニングがたいはんだったので。
「身体は吸う時に緊張し、吐く時にリラックスするようにできている。これを使って身体の緊張をとる」
「口呼吸は緊張、鼻呼吸はリラックスを司る。そのバランスをとるため、鼻で吸って口で吐く」
→これに関連して、試しに口で息を吸って、その時の自分の緊張や気分を観察する実験を行いました。
「息を止めるやり方は4種類ある。それは『吐ききって止める、吸いきって止める、適度に吐いて止める、適度に吸って止める』」。
「Analyzeする。自分の緊張や血圧など、全てを」(“Analyze”は今回、特に口酸っぱくヴラディミアが口にしていた言葉です)
「敵に対した時にはつい、相手の身体の大きさや攻撃の仕方など、相手について分析したくなってしまう。だがそれは徒に相手への恐怖心を高め『強そうでイヤだな』、と思ってしまうのがオチだ。だからそのような不毛なことはせず、相手ではなく常に自分の身体を分析するのだ(かといって自分の内面世界に引きこもるのも良くない。外界の観察とのバランスも大事)」
「頭は身体からの情報を受け取るものであって、身体を支配するものではない。意識によって身体を動かそうとすること、それ自体が緊張を生む」
目の使い方について
「視野は左右におよそ180度、上下はおよそ90度くらいの範囲をカバーする。それら全体をなんとなく眺める。そうすると、パッと生まれた相手の緊張に気づきやすくなる。(例えば、動きとは直接関連なさそうな部分が、なんらかの動きを支えるために緊張したりする。例えば手を動かすために、足を踏ん張ってしまう場合などがそうだ。相手をじっと見てしまうと、そういった緊張に気づくことができない)」
などなど。ただ、今回はトークがかなり多かったので、英語の聞き取りがそれほど得意でない北川には聞き間違いや聞き漏らしが多々あるはずのですので、日本で練習に励む皆さんは日本からのもう一人での参加者で英語の堪能なIさんにもじっくりとお話を聞くと良いでしょう。内容がずいぶん補完されるのではないかと思います。
12月の半身動作主催クラス予定です
毎月2回、半身動作研究会さんが主催してくださっているシステマクラスの情報をお知らせします。
今回のテーマは「対複数」と「グラウンド」。いずれも「ちょっと非日常な状況に身を置くことで、いつもと違った自分を知る」というのがテーマとなります。
ご興味あるかたはぜひどうぞ!
◎技アリ企画「システマ∴(トライアングル)」
●講師:北川貴英(システマ公認インストラクター)
●日時:2009年12月5日(土)18時15分~20時30分(18時から受付け)
※京橋プラザ区民館の建物内部で開場を待つことができないので、17時55分以後に入館するようにお願いします。
●会場:京橋プラザ 多目的ホールA面
東京都中央区銀座一丁目25番3号
電話 03-3561-5163
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-p.html
●参加費:2000円
………………………………………………………………………………
◎技アリ企画「システマ_グランド・ワーク」
●講師:北川貴英(システマ公認インストラクター)
●日時:2009年12月19日(土)18時15分~20時30分(18時から受付け)
※京橋プラザ区民館の建物内部で開場を待つことができないので、17時55分以後に入館するようにお願いします。
●会場:京橋プラザ 多目的ホールA面
東京都中央区銀座一丁目25番3号
電話 03-3561-5163
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-p.html
●参加費:2000円
………………………………………………………………………………
■お申込み
参加を希望するクラス
12/5「システマ トライアングル」
12/19「システマ グラウンド」
を明記して、
「お名前」と「Eメールアドレス」を添えて
世話人の中島章夫までメールでお申込みください。
hanmidosa@gmail.com
今回のテーマは「対複数」と「グラウンド」。いずれも「ちょっと非日常な状況に身を置くことで、いつもと違った自分を知る」というのがテーマとなります。
ご興味あるかたはぜひどうぞ!
◎技アリ企画「システマ∴(トライアングル)」
●講師:北川貴英(システマ公認インストラクター)
●日時:2009年12月5日(土)18時15分~20時30分(18時から受付け)
※京橋プラザ区民館の建物内部で開場を待つことができないので、17時55分以後に入館するようにお願いします。
●会場:京橋プラザ 多目的ホールA面
東京都中央区銀座一丁目25番3号
電話 03-3561-5163
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-p.html
●参加費:2000円
………………………………………………………………………………
◎技アリ企画「システマ_グランド・ワーク」
●講師:北川貴英(システマ公認インストラクター)
●日時:2009年12月19日(土)18時15分~20時30分(18時から受付け)
※京橋プラザ区民館の建物内部で開場を待つことができないので、17時55分以後に入館するようにお願いします。
●会場:京橋プラザ 多目的ホールA面
東京都中央区銀座一丁目25番3号
電話 03-3561-5163
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-p.html
●参加費:2000円
………………………………………………………………………………
■お申込み
参加を希望するクラス
12/5「システマ トライアングル」
12/19「システマ グラウンド」
を明記して、
「お名前」と「Eメールアドレス」を添えて
世話人の中島章夫までメールでお申込みください。
hanmidosa@gmail.com
2010年4月開講予定システマクラス
来年(2010年)4月から青葉台と、銀座にて新たにシステマクラスがスタートします。
青葉台は先日、一日クラスを担当させていただいた東急セミナーBe青葉台校。
銀座は京橋あたりの最近、ショッピングビルが続々登場している、いわゆる“おっされー”なエリアに開講予定の、銀座産経学園が大幅にリニューアルしたオトナ向けカルチャースクールです。
青葉台は月1回、銀座は月2回の開講となる予定です。
これらはまだ予定なので、変更の可能性アリなのですが、皆様のお陰でシステマの輪がどんどん広がって行くのは、とても嬉しいことです。
もちろん、来年1月度の朝日カルチャー新宿クラスも開講が決定しました。
レギュラークラスと一日集中クラスの2種類を実施します。
ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。
青葉台は先日、一日クラスを担当させていただいた東急セミナーBe青葉台校。
銀座は京橋あたりの最近、ショッピングビルが続々登場している、いわゆる“おっされー”なエリアに開講予定の、銀座産経学園が大幅にリニューアルしたオトナ向けカルチャースクールです。
青葉台は月1回、銀座は月2回の開講となる予定です。
これらはまだ予定なので、変更の可能性アリなのですが、皆様のお陰でシステマの輪がどんどん広がって行くのは、とても嬉しいことです。
もちろん、来年1月度の朝日カルチャー新宿クラスも開講が決定しました。
レギュラークラスと一日集中クラスの2種類を実施します。
ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。