システマ・ブリージングのルーツを考察する本
このブログでは珍しく書籍紹介です。
北川は最近、システマのルーツを探るべく東方正教会やビザンチン文化の調べ物をしています。
ミカエルの言っている事を理解するために、その思想の背景を知る必要性を感じたためです。
それで調べ物を進めて行くと、システマの哲学的背景となっているロシア正教が、同じキリスト教でも私たちがキリスト教と聞いてまず思い浮かべるカトリックやプロテスタントとは随分と異なることがわかりました。
ミカエルが度々インタビューでも言及している、ロシア正教の修道院で実践され、システマのブリージングのもとともなった呼吸法は、「静寂主義(ヘシカスム、ヘシュカスム)」と言う名前で調べてみると色々と分かります。
日本語で読める本の中ではそのヘシュカスムについて一番、詳しいであろう本を見つけましたので紹介しておきます。
価格が高いですし、専門的な知識もかなり必要なのでハードルが高いのですが、興味ある方は読んでみてください。
また、ロシア正教や東方正教会の歴史や内容については、高橋保行
氏の書籍が読みやすくてオススメです。
こうした背景を知った上でミカエルをはじめとするマスターの教えに接してみると、これまでとはまるで違うものとして受け取ることができたりします。もうちょっと勉強が進んだら、クラスでも色々とお伝えしていきたいと思います。
北川は最近、システマのルーツを探るべく東方正教会やビザンチン文化の調べ物をしています。
ミカエルの言っている事を理解するために、その思想の背景を知る必要性を感じたためです。
それで調べ物を進めて行くと、システマの哲学的背景となっているロシア正教が、同じキリスト教でも私たちがキリスト教と聞いてまず思い浮かべるカトリックやプロテスタントとは随分と異なることがわかりました。
ミカエルが度々インタビューでも言及している、ロシア正教の修道院で実践され、システマのブリージングのもとともなった呼吸法は、「静寂主義(ヘシカスム、ヘシュカスム)」と言う名前で調べてみると色々と分かります。
日本語で読める本の中ではそのヘシュカスムについて一番、詳しいであろう本を見つけましたので紹介しておきます。
価格が高いですし、専門的な知識もかなり必要なのでハードルが高いのですが、興味ある方は読んでみてください。
また、ロシア正教や東方正教会の歴史や内容については、高橋保行
こうした背景を知った上でミカエルをはじめとするマスターの教えに接してみると、これまでとはまるで違うものとして受け取ることができたりします。もうちょっと勉強が進んだら、クラスでも色々とお伝えしていきたいと思います。
ロシアンスティックマッサージについて
モスクワセミナーのもう一つの目玉。それはスティックマッサージです。
ものすごい痛いです。
マッサージ室からは絶叫が聞こえて来ます。
でもミカエルは「このマッサージを受ければ漢になれる」と言いますので、2回ほど体験しました。
私が初めて受けたのは4年前。2年連続で受けてとにかく痛かったのと、なんでこんな痛い思いをするのか意味がわからなかったのと、2回とも内容も印象も似たようなものだったことから、しばらくモスクワに行ってもマッサージは受けずに帰ってきていました。
今年もそうするつもりでしたが、受けた人によると今年のマッサージはこれまでとはまるで違っているとのこと。痛いのは相変わらずだけど、なにやらレベルアップしたそうです。
という訳で受けてみたのですが、やはり痛いのなんの。
最初は先の丸く尖ったスティックで背骨沿い、頭などをグリグリやります。
続いて鋭く尖らせた鉛筆で頭のツボを突き、背面と身体の前面をタオルをかけた上からバッチンバッチン叩きます。仕上げはなんと剣でのマッサージ。
ロシアのコサックが使う剣シャーシュカで身体を叩いたり突いたりするのです。
所要時間はおよそ1時間弱の予定ですが、私の場合はあとの予約がなかったこともあってタップリと1時間半も。
でも今回はようやく、このマッサージの意味がつかめました。
マッサージの前、施術者のアレクサンドルは「これから恐怖心によって蓋をされてしまった、お前の奥底にある生命力のスイッチを入れる」と予告します。そして「今年のマッサージは、これまでとはまるで違う。大きなレベルアップをした」とのこと。
その発言は本当だなあ、とマッサージ後に実感させられました。
マッサージを受けている間、苦痛によって身体は実に多様な反応をします。まず手がブルブルと震えて、腰が抜けたようになって足が震え、全身から血の気が引き、まるで極寒の環境に行ったかのように、歯の根があわないくらい、ガチガチと全身が震えてきます。もちろん自分からこんなすごい声が出るのか、と思うくらいの悲鳴も出ます。
つまり、恐怖心によって身体に起こる現象がオンパレードで引き出されるのです。
その反応は主に「振動」という形をとります。手足がブルブルと震える大きな振動から、傍目には分からないような小さな、電気が流れるように感じられる小さな振動までさまざまです。
こうした反応を止めようと思っても止められません。止めたら最後、苦痛が倍増するのが明らかだからです。スティックを身体にねじ込んでくる際も、こちらが息を吐ききってもなお、ねじ込んでくるのでうめき声や悲鳴が漏れます。アレクサンドルはこうやって、本人の自主的なブリージングだけでは吐き切れない空気を搾り出してくるのです。本当に息を絞りきったあとは、空気が体全体へと怒涛の勢いで流れこんで来ます。その時の空気のおいしさは格別です。
なのでアレクサンドルの刺激を受け入れ、それに対する反応を抵抗せずに思い切り出すのが、おそらくこのマッサージの適切な受け方なのでしょう。ここで歯を食いしばってこらえてしまうと、内側で爆発的に高められた生命力とそそれを抑えこもうとするブレーキが正面衝突してしまって、体力をムダに消耗するばかりでマッサージの恩恵を受けられず、ただ「しんどかった」という経験だけが残るのではないかと思います。
極めつけは最後のシャーシュカです。マッサージの終盤、鋼鉄の匂いがするくらい間近にシャーシュカをつきつけられると、これまでさんざん引き出してきた肉体的な恐怖感のさらに奥底にある、精神的な恐怖感が引き出されます。するとそのさらに下に潜んでいた生命力が目を覚まし、精神の奥底に働きかけるのが分かります。
あらゆる緊張の奥底には、恐怖心があるとミカエルは教えています。
ですが、これまでの人生で蓄積された恐怖心を自分自身で見つめ直すことはなかなか困難です。なのでそれにともなう身体の緊張もなかなかリリースできません。このスティックマッサージは、これまで自分が我慢して貯めこんできた苦痛とそれによる筋肉の緊張を的確な刺激で解放することで、その下にあった生命力を解放することを目的としているのです。
マッサージ後は全身がまるで電気で包まれたかのような不思議なピリピリ感で包まれます。
「この振動はなんなんだ?」
とアレクサンドルに聞いたら、「それこそが、生命力だ」との返事でした。気分は妙にハイな感じで、どこまででも走っていけそうな感じがするほどです。彼によると今後およそ2ヶ月くらいかけて生命力が徐々に目覚め、その間、色々なことが起こるだろうとのこと。同じようなことはこれまでのマッサージでも言われましたが、今回はようやくその意図することが理解できた気がします。
相当痛いですが、ちょっと気に入ってしまったので来年も受けてみようと思います。
最後にアレクサンドル、「日本人にもシェアしたいから、今度是非呼んでくれ」とのこと。私としてももっと詳しく知りたいですし、呼びたいのはやまやまですが、少し先になるかと思います。だってマッサージの時の絶叫、日本だったら絶対に近所の人に通報されるレベルですから。システマがもう少し市民権を得て、防音室を借りられるようになってからですね。
こちらの動画でミカエルにムチで叩かれているのが、件のアレクサンドルです。
ものすごい痛いです。
マッサージ室からは絶叫が聞こえて来ます。
でもミカエルは「このマッサージを受ければ漢になれる」と言いますので、2回ほど体験しました。
私が初めて受けたのは4年前。2年連続で受けてとにかく痛かったのと、なんでこんな痛い思いをするのか意味がわからなかったのと、2回とも内容も印象も似たようなものだったことから、しばらくモスクワに行ってもマッサージは受けずに帰ってきていました。
今年もそうするつもりでしたが、受けた人によると今年のマッサージはこれまでとはまるで違っているとのこと。痛いのは相変わらずだけど、なにやらレベルアップしたそうです。
という訳で受けてみたのですが、やはり痛いのなんの。
最初は先の丸く尖ったスティックで背骨沿い、頭などをグリグリやります。
続いて鋭く尖らせた鉛筆で頭のツボを突き、背面と身体の前面をタオルをかけた上からバッチンバッチン叩きます。仕上げはなんと剣でのマッサージ。
ロシアのコサックが使う剣シャーシュカで身体を叩いたり突いたりするのです。
所要時間はおよそ1時間弱の予定ですが、私の場合はあとの予約がなかったこともあってタップリと1時間半も。
でも今回はようやく、このマッサージの意味がつかめました。
マッサージの前、施術者のアレクサンドルは「これから恐怖心によって蓋をされてしまった、お前の奥底にある生命力のスイッチを入れる」と予告します。そして「今年のマッサージは、これまでとはまるで違う。大きなレベルアップをした」とのこと。
その発言は本当だなあ、とマッサージ後に実感させられました。
マッサージを受けている間、苦痛によって身体は実に多様な反応をします。まず手がブルブルと震えて、腰が抜けたようになって足が震え、全身から血の気が引き、まるで極寒の環境に行ったかのように、歯の根があわないくらい、ガチガチと全身が震えてきます。もちろん自分からこんなすごい声が出るのか、と思うくらいの悲鳴も出ます。
つまり、恐怖心によって身体に起こる現象がオンパレードで引き出されるのです。
その反応は主に「振動」という形をとります。手足がブルブルと震える大きな振動から、傍目には分からないような小さな、電気が流れるように感じられる小さな振動までさまざまです。
こうした反応を止めようと思っても止められません。止めたら最後、苦痛が倍増するのが明らかだからです。スティックを身体にねじ込んでくる際も、こちらが息を吐ききってもなお、ねじ込んでくるのでうめき声や悲鳴が漏れます。アレクサンドルはこうやって、本人の自主的なブリージングだけでは吐き切れない空気を搾り出してくるのです。本当に息を絞りきったあとは、空気が体全体へと怒涛の勢いで流れこんで来ます。その時の空気のおいしさは格別です。
なのでアレクサンドルの刺激を受け入れ、それに対する反応を抵抗せずに思い切り出すのが、おそらくこのマッサージの適切な受け方なのでしょう。ここで歯を食いしばってこらえてしまうと、内側で爆発的に高められた生命力とそそれを抑えこもうとするブレーキが正面衝突してしまって、体力をムダに消耗するばかりでマッサージの恩恵を受けられず、ただ「しんどかった」という経験だけが残るのではないかと思います。
極めつけは最後のシャーシュカです。マッサージの終盤、鋼鉄の匂いがするくらい間近にシャーシュカをつきつけられると、これまでさんざん引き出してきた肉体的な恐怖感のさらに奥底にある、精神的な恐怖感が引き出されます。するとそのさらに下に潜んでいた生命力が目を覚まし、精神の奥底に働きかけるのが分かります。
あらゆる緊張の奥底には、恐怖心があるとミカエルは教えています。
ですが、これまでの人生で蓄積された恐怖心を自分自身で見つめ直すことはなかなか困難です。なのでそれにともなう身体の緊張もなかなかリリースできません。このスティックマッサージは、これまで自分が我慢して貯めこんできた苦痛とそれによる筋肉の緊張を的確な刺激で解放することで、その下にあった生命力を解放することを目的としているのです。
マッサージ後は全身がまるで電気で包まれたかのような不思議なピリピリ感で包まれます。
「この振動はなんなんだ?」
とアレクサンドルに聞いたら、「それこそが、生命力だ」との返事でした。気分は妙にハイな感じで、どこまででも走っていけそうな感じがするほどです。彼によると今後およそ2ヶ月くらいかけて生命力が徐々に目覚め、その間、色々なことが起こるだろうとのこと。同じようなことはこれまでのマッサージでも言われましたが、今回はようやくその意図することが理解できた気がします。
相当痛いですが、ちょっと気に入ってしまったので来年も受けてみようと思います。
最後にアレクサンドル、「日本人にもシェアしたいから、今度是非呼んでくれ」とのこと。私としてももっと詳しく知りたいですし、呼びたいのはやまやまですが、少し先になるかと思います。だってマッサージの時の絶叫、日本だったら絶対に近所の人に通報されるレベルですから。システマがもう少し市民権を得て、防音室を借りられるようになってからですね。
こちらの動画でミカエルにムチで叩かれているのが、件のアレクサンドルです。
システマモスクワ本部について(トレーニング編)
練習のスケジュールは下部に記載した通り。午前クラスの参加者は10名弱、夜クラスは20名弱といったところであまり多くはありません。参加費は1回20ドル。たくさん参加すると割引とかもあるみたいです。
月曜 一般クラス 9:00~11:00、19:00~21:00
女性クラス 17:00~18:30
火曜 一般クラス 19:00~21:00
キッズクラス1(幼年部)17:00~18:00
キッズクラス2(少年部)18:00~19:00
水曜 一般クラス 9:00~11:00、19:00~21:00
木曜 一般クラス 19:00~21:00
キッズクラス1(幼年部)17:00~18:00
キッズクラス2(少年部)18:00~19:00
金曜 一般クラス 19:00~21:00
土曜 一般クラス 10:00~12:00
日曜 一般クラス 12:00~14:00
このうち、北川が参加したのは月曜~水曜日のトレーニングとプライベートクラス。
レギュラークラスはいずれもサーシャや来日セミナーの実績もあるウラジミール・ザイコフスキーといった本部所属のインストラクター達です。練習の間、ミカエルは執務室にいるものの応接や執務に携わっていて練習をリードすることはありません(木~日はどうかわかりませんが、おそらく月~水と同じような感じではないかと思います)。一部のインストラクターはロシア語しか話せませんが、だいたい英語の話せる人が一人くらいいるので、彼らが親切に通訳してくれます。
キッズクラスはピョートルというたくましい体格でひょうきんなインストラクターが、女性クラスはミカエルのもとで20年(!)もシステマを学んでいるというマーシャという女性インストラクターが担当しています。ピョートルは見た目こそいかついものの、とても親しみやすい性格で、私が一人でモスクワに行くと「お前、奥さんにフラレたのか?」なんて言ってからかってくるナイスガイです。彼の子供は幸いにも(?)奥さんに似たのか、とてもスマートなイケメンです。
キッズクラスは一応、幼年部と少年部が分かれていますがそれほど人数が多くないので、合同クラスとして行われています。女性クラスはもっと少なくて北川が参加した日はわずか2名。ロシア本国ではシステマがまだまだマイナーだというのは本当なんだなあ、と改めて感じました。
一般向けクラスの内容はというと、インストラクターごとの特色がとても強く出ています。
月曜夜のサーシャクラスでは、ウォーキングやランニングで呼吸のトレーニングをした後に、コネクトの練習。胸を押してくる相手との接触を切らずに動き続け、相手を崩していくものです。2回目に参加した月曜夜クラスでも同じようなドリルをやりましたが、身体の中心軸を中心とした回転運動を用いるという原則をみっちりと練習した後に、コネクトの練習へと入っていきました。システマでは背骨をまっすぐにするとは何度も聞きますが、「軸」という考え方を聞いたのはこれが初めてです。軸を重視するだけあって、サーシャの姿勢はどんなに動いても崩れず、とてもきれいです。サーシャは「せっかく日本から来たのだから」と2回目の夜クラスが9時で終わりのところを11時30分まで大延長。「背骨の柔軟性に良いから」と、様々なグラウンドエクササイズをシェアしてくれました。
火曜日と水曜朝のザイコフスキーのクラスは来日セミナーにも通じる内容。ローリングなどのエクササイズでブリージングのトレーニングをした後に、やはりコネクトのワークをします。ザイコフスキーのコネクトのワークはとてもバリエーションが豊富で、並んだ複数の人に力を伝えたり、自分のお腹に拳をあてがった相手に対し、腹圧による力を伝えて崩したりなど、難易度高めのドリルが続きます。あとはアレンのセミナーでも少しやった、ストライクを受けたり、関節をロックされたりしてもブリージングでリラックスし、Calmさを保つというドリルもやりました。朝クラスは参加人数も10名弱と少なめな上、目のエクササイズを教えてくれたインストラクター、ディマも来るのでちょっと贅沢な感じです。
それと女性クラスにも特別に参加させてもらい、マーシャにじっくりと動きをチェックしてもらったのですがそのチェックの厳しいこと厳しいこと。ロックされた関節を外してその力を相手に返すトレーニングでは、ほんのわずかでも緊張が走ると首を振って「ニェット(ダメ)」と一言。システマ歴が長いだけあってロックがとても的確で、うかつに動くとエラく痛い目に遭うため、どうしても緊張してしまうのですが、そんな心中は楽勝でお見通しで「どうしてそんなに怖がっているの? 私をテディベアか自分の娘だと思えばリラックスできるでしょ」とまるで子供を諭すように言ってきます。そんなダメ出しの嵐をかいくぐってようやくOKが出た時、マーシャは「よくわかったわね!やればできるじゃない!」とこれもあたかも自分の子供が初めて立って歩いた時のようなはしゃぎっぷりで大喜び。するとなんだかとても報われた気がしてしまうのですから、面白いものです。マーシャは一切妥協のない水準に基づいた超的確な指摘とちょっとツンデレ入ってる指導で生徒を導く、とても優秀なインストラクターと言えるでしょう。
ダニエルにやってもらったプライベートクラスも、これまた他のインストラクターとは全く毛色の異なるものでした。コネクトや相手の力を活用する動きについて重点的に教えて欲しいとリクエストしたのですが、ダニエルのそれはかなり豪快な感じ。相手の力に乗りながら全身を盛大に動かして相手の力を受け入れ、それをそのまま相手に返していきます。この時、ダニエルが重点を置いていたのは「Keep Moving」。動き続けているつもりでも止まってしまっている部位を指摘し、北川が行き詰まっていると「こんな動きもあるぞ」と色々と見本を見せてくれます。この時、ダニエルは一緒に来日したラトビアのインストラクター、ディミトリと一緒に来てくれたので、プライベートクラスは私とダニエルとディミトリの3人という贅沢構成。この時も関節のロックが多かったのですが、マーシャよりもずっとロックが強力なため、少しミスると関節がミシミシきしむのが分かるくらいです。そんな厳しくも楽しい条件で練習をじっくりとやると、およそ1時間半の間にみるみる自分の動きが改善されるのが実感できるのです。
本部のインストラクター達のクラスはそれぞれとてもためになるものでしたが、一連のクラスを通じて見えてきたことがあります。それは本部におけるミカエルの指導について。ミカエルは本部のレギュラークラスに基本的に出て来ません。その間、ほんの10数歩で行ける執務室にいるのですから、出てこようと思えばいくらでも出てこれます。これはつまり、ミカエルはあえてジムのクラスに出ないようにしているということなのではないかと思うのです。ここから考えられるのは、ミカエルは生徒たちに自分自身の頭と身体で考えることを求めている、ということです。
レギュラークラスに出てこないとは言え、ミカエルが全く指導しないわけではありません。一ヶ月~二ヶ月に一度くらいのペースでミニセミナーを行って集中的に指導し、様々なヒントを大放出します。参加者はそこから好きなもの、気になったものをピックアップし、それをもとに自分なりのシステマを発展させていくようです。
そのためか本部のインストラクター達の指導や動きはそれぞれ全く異なります。サーシャはサーシャらしい動き、ザイコフスキーはザイコフスキーらしい動き、マーシャはマーシャらしい動き、ダニエルはダニエルらしい動きをしますが、誰一人として「ミカエルっぽい動き」をしていません。
これは考えてみればこれはスゴイことです。北川などは意思がふわふわしていますので、マーティンが来たらマーティンに、ゼットラーツインズが来たらツインズにすぐに影響を受けてしまいます。ですが本部のインストラクター達は凄まじい実力を誇る創始者ミカエル・リャブコのお膝元にいながら、誰もが自分を見失うことなく、自分なりのシステマを実践しているのですから。
「本部にいれば、ミカエルがいつでも直接指導してくれるから、上達が早いに決まっている」
本部で目にした現実は、北川は少なからず抱いていたそんな思いを見事に打ち砕きました。本部のインストラクターであっても、ミカエルに手取り足取り教えてもらっているわけではありません。もしそうであればおそらく自分では何も考えることのできない、ミカエルの劣化コピーができるだけであって、本人のためにならないはずです。
ミカエルが与えてくれたヒントをもとに独自の工夫を重ね、ジグソーパズルのように自分のシステマを作り上げていく。そういうプロセスを歩んでいるという意味では、本部の生徒も一年に一度くらいミカエルに会って盛大にヒントをもらい、一年がかりで吸収している私と条件は同じです。ヴラディミアやコンスタンチン、セルゲイといったマスターと呼ばれる人たちもおそらく似たようなものでしょう。年月の長短はあれ、皆ミカエルからもらったヒントをもとに自分なりのシステマを展開させていったのではないかと思うのです。そのうちの誰一人として、ミカエル・リャブコになろうとはしていません。ただ己を知り、自分自身であることをより純化させていったのです。
それはつまりシステマはマスターの近くにいさえすれば、もしくは真面目にクラスに出席しインストラクターの言うとおりに練習してさえいれば良い、というものではないということを意味します。ミカエルは惜しみなくヒントを提供しますが、それを拾い集めて咀嚼し、消化吸収するのは自分自身です。それにはミスを何度も繰り返し、そこから学んでいくことが必要です。こうした試行錯誤に対して、ミカエルが口を出すことは基本的にありません。ミカエルから見ればシニアインストラクターも初心者もみな等しく緊張し、稚拙な動きをしているに決まっているのですが、ミカエルはそれも成長の過程として許容してくれるのです。
これに関して思い出したのが、以前、トロントでシニアインストラクターのエマニュエルに投げかけたこんな質問です。「クラスにはどうしても力が抜けず、乱暴に思える人がいるのですがどう対処したら良いのでしょうか」
その時のエマニュエルの答えは次のようなものでした。
「システマの目的はリラックスではない。サバイブだ。確かに全く力が抜けず、固い動きをする者もいるが、それを決して否定してはいけない。それは彼なりのサバイブであり、システマだからだ」
この答えを聞いた時、私は「そんなもんかな」と思った程度でしたが、ジワジワと後で効いて来ました。多少なりともリラックスがつかめて来たという思い上がりと、リラックス出来ていない人を蔑視する自分に気付かされたのです。まかり間違ってそのような態度のままインストラクターになっていたら、うまくリラックスできない人を厳しく責めたり、冷たい目で見たりするような根性のひん曲がったインストラクターになっていたかも知れません。
ミカエルからしたら、皆等しく緊張だらけです。ですが、それを忌むべきものとして非難するのではなく、その人の「のびしろ」として認識し、温かく見守ってもらえるという安心感があるからこそ、本部のインストラクター達は自由に試行錯誤することができるのでしょう。安心してミスできる環境があってこそ、ミスから学ぶことができるのです。
ミカエルの間近にありながら、あまりにも自由に自分のシステマを展開させる本部のインストラクター達。今回のモスクワ行きで一番大きく私の考え方を変えたのは、モスクワ本部のあり方そのもののような気がします。「ミカエルがクラスに出ない」ということすらこれだけ強力な示唆を与えてくれるのですから、本部はやはりスゴイ存在なのかも知れません。
月曜 一般クラス 9:00~11:00、19:00~21:00
女性クラス 17:00~18:30
火曜 一般クラス 19:00~21:00
キッズクラス1(幼年部)17:00~18:00
キッズクラス2(少年部)18:00~19:00
水曜 一般クラス 9:00~11:00、19:00~21:00
木曜 一般クラス 19:00~21:00
キッズクラス1(幼年部)17:00~18:00
キッズクラス2(少年部)18:00~19:00
金曜 一般クラス 19:00~21:00
土曜 一般クラス 10:00~12:00
日曜 一般クラス 12:00~14:00
このうち、北川が参加したのは月曜~水曜日のトレーニングとプライベートクラス。
レギュラークラスはいずれもサーシャや来日セミナーの実績もあるウラジミール・ザイコフスキーといった本部所属のインストラクター達です。練習の間、ミカエルは執務室にいるものの応接や執務に携わっていて練習をリードすることはありません(木~日はどうかわかりませんが、おそらく月~水と同じような感じではないかと思います)。一部のインストラクターはロシア語しか話せませんが、だいたい英語の話せる人が一人くらいいるので、彼らが親切に通訳してくれます。
キッズクラスはピョートルというたくましい体格でひょうきんなインストラクターが、女性クラスはミカエルのもとで20年(!)もシステマを学んでいるというマーシャという女性インストラクターが担当しています。ピョートルは見た目こそいかついものの、とても親しみやすい性格で、私が一人でモスクワに行くと「お前、奥さんにフラレたのか?」なんて言ってからかってくるナイスガイです。彼の子供は幸いにも(?)奥さんに似たのか、とてもスマートなイケメンです。
キッズクラスは一応、幼年部と少年部が分かれていますがそれほど人数が多くないので、合同クラスとして行われています。女性クラスはもっと少なくて北川が参加した日はわずか2名。ロシア本国ではシステマがまだまだマイナーだというのは本当なんだなあ、と改めて感じました。
一般向けクラスの内容はというと、インストラクターごとの特色がとても強く出ています。
月曜夜のサーシャクラスでは、ウォーキングやランニングで呼吸のトレーニングをした後に、コネクトの練習。胸を押してくる相手との接触を切らずに動き続け、相手を崩していくものです。2回目に参加した月曜夜クラスでも同じようなドリルをやりましたが、身体の中心軸を中心とした回転運動を用いるという原則をみっちりと練習した後に、コネクトの練習へと入っていきました。システマでは背骨をまっすぐにするとは何度も聞きますが、「軸」という考え方を聞いたのはこれが初めてです。軸を重視するだけあって、サーシャの姿勢はどんなに動いても崩れず、とてもきれいです。サーシャは「せっかく日本から来たのだから」と2回目の夜クラスが9時で終わりのところを11時30分まで大延長。「背骨の柔軟性に良いから」と、様々なグラウンドエクササイズをシェアしてくれました。
火曜日と水曜朝のザイコフスキーのクラスは来日セミナーにも通じる内容。ローリングなどのエクササイズでブリージングのトレーニングをした後に、やはりコネクトのワークをします。ザイコフスキーのコネクトのワークはとてもバリエーションが豊富で、並んだ複数の人に力を伝えたり、自分のお腹に拳をあてがった相手に対し、腹圧による力を伝えて崩したりなど、難易度高めのドリルが続きます。あとはアレンのセミナーでも少しやった、ストライクを受けたり、関節をロックされたりしてもブリージングでリラックスし、Calmさを保つというドリルもやりました。朝クラスは参加人数も10名弱と少なめな上、目のエクササイズを教えてくれたインストラクター、ディマも来るのでちょっと贅沢な感じです。
それと女性クラスにも特別に参加させてもらい、マーシャにじっくりと動きをチェックしてもらったのですがそのチェックの厳しいこと厳しいこと。ロックされた関節を外してその力を相手に返すトレーニングでは、ほんのわずかでも緊張が走ると首を振って「ニェット(ダメ)」と一言。システマ歴が長いだけあってロックがとても的確で、うかつに動くとエラく痛い目に遭うため、どうしても緊張してしまうのですが、そんな心中は楽勝でお見通しで「どうしてそんなに怖がっているの? 私をテディベアか自分の娘だと思えばリラックスできるでしょ」とまるで子供を諭すように言ってきます。そんなダメ出しの嵐をかいくぐってようやくOKが出た時、マーシャは「よくわかったわね!やればできるじゃない!」とこれもあたかも自分の子供が初めて立って歩いた時のようなはしゃぎっぷりで大喜び。するとなんだかとても報われた気がしてしまうのですから、面白いものです。マーシャは一切妥協のない水準に基づいた超的確な指摘とちょっとツンデレ入ってる指導で生徒を導く、とても優秀なインストラクターと言えるでしょう。
ダニエルにやってもらったプライベートクラスも、これまた他のインストラクターとは全く毛色の異なるものでした。コネクトや相手の力を活用する動きについて重点的に教えて欲しいとリクエストしたのですが、ダニエルのそれはかなり豪快な感じ。相手の力に乗りながら全身を盛大に動かして相手の力を受け入れ、それをそのまま相手に返していきます。この時、ダニエルが重点を置いていたのは「Keep Moving」。動き続けているつもりでも止まってしまっている部位を指摘し、北川が行き詰まっていると「こんな動きもあるぞ」と色々と見本を見せてくれます。この時、ダニエルは一緒に来日したラトビアのインストラクター、ディミトリと一緒に来てくれたので、プライベートクラスは私とダニエルとディミトリの3人という贅沢構成。この時も関節のロックが多かったのですが、マーシャよりもずっとロックが強力なため、少しミスると関節がミシミシきしむのが分かるくらいです。そんな厳しくも楽しい条件で練習をじっくりとやると、およそ1時間半の間にみるみる自分の動きが改善されるのが実感できるのです。
本部のインストラクター達のクラスはそれぞれとてもためになるものでしたが、一連のクラスを通じて見えてきたことがあります。それは本部におけるミカエルの指導について。ミカエルは本部のレギュラークラスに基本的に出て来ません。その間、ほんの10数歩で行ける執務室にいるのですから、出てこようと思えばいくらでも出てこれます。これはつまり、ミカエルはあえてジムのクラスに出ないようにしているということなのではないかと思うのです。ここから考えられるのは、ミカエルは生徒たちに自分自身の頭と身体で考えることを求めている、ということです。
レギュラークラスに出てこないとは言え、ミカエルが全く指導しないわけではありません。一ヶ月~二ヶ月に一度くらいのペースでミニセミナーを行って集中的に指導し、様々なヒントを大放出します。参加者はそこから好きなもの、気になったものをピックアップし、それをもとに自分なりのシステマを発展させていくようです。
そのためか本部のインストラクター達の指導や動きはそれぞれ全く異なります。サーシャはサーシャらしい動き、ザイコフスキーはザイコフスキーらしい動き、マーシャはマーシャらしい動き、ダニエルはダニエルらしい動きをしますが、誰一人として「ミカエルっぽい動き」をしていません。
これは考えてみればこれはスゴイことです。北川などは意思がふわふわしていますので、マーティンが来たらマーティンに、ゼットラーツインズが来たらツインズにすぐに影響を受けてしまいます。ですが本部のインストラクター達は凄まじい実力を誇る創始者ミカエル・リャブコのお膝元にいながら、誰もが自分を見失うことなく、自分なりのシステマを実践しているのですから。
「本部にいれば、ミカエルがいつでも直接指導してくれるから、上達が早いに決まっている」
本部で目にした現実は、北川は少なからず抱いていたそんな思いを見事に打ち砕きました。本部のインストラクターであっても、ミカエルに手取り足取り教えてもらっているわけではありません。もしそうであればおそらく自分では何も考えることのできない、ミカエルの劣化コピーができるだけであって、本人のためにならないはずです。
ミカエルが与えてくれたヒントをもとに独自の工夫を重ね、ジグソーパズルのように自分のシステマを作り上げていく。そういうプロセスを歩んでいるという意味では、本部の生徒も一年に一度くらいミカエルに会って盛大にヒントをもらい、一年がかりで吸収している私と条件は同じです。ヴラディミアやコンスタンチン、セルゲイといったマスターと呼ばれる人たちもおそらく似たようなものでしょう。年月の長短はあれ、皆ミカエルからもらったヒントをもとに自分なりのシステマを展開させていったのではないかと思うのです。そのうちの誰一人として、ミカエル・リャブコになろうとはしていません。ただ己を知り、自分自身であることをより純化させていったのです。
それはつまりシステマはマスターの近くにいさえすれば、もしくは真面目にクラスに出席しインストラクターの言うとおりに練習してさえいれば良い、というものではないということを意味します。ミカエルは惜しみなくヒントを提供しますが、それを拾い集めて咀嚼し、消化吸収するのは自分自身です。それにはミスを何度も繰り返し、そこから学んでいくことが必要です。こうした試行錯誤に対して、ミカエルが口を出すことは基本的にありません。ミカエルから見ればシニアインストラクターも初心者もみな等しく緊張し、稚拙な動きをしているに決まっているのですが、ミカエルはそれも成長の過程として許容してくれるのです。
これに関して思い出したのが、以前、トロントでシニアインストラクターのエマニュエルに投げかけたこんな質問です。「クラスにはどうしても力が抜けず、乱暴に思える人がいるのですがどう対処したら良いのでしょうか」
その時のエマニュエルの答えは次のようなものでした。
「システマの目的はリラックスではない。サバイブだ。確かに全く力が抜けず、固い動きをする者もいるが、それを決して否定してはいけない。それは彼なりのサバイブであり、システマだからだ」
この答えを聞いた時、私は「そんなもんかな」と思った程度でしたが、ジワジワと後で効いて来ました。多少なりともリラックスがつかめて来たという思い上がりと、リラックス出来ていない人を蔑視する自分に気付かされたのです。まかり間違ってそのような態度のままインストラクターになっていたら、うまくリラックスできない人を厳しく責めたり、冷たい目で見たりするような根性のひん曲がったインストラクターになっていたかも知れません。
ミカエルからしたら、皆等しく緊張だらけです。ですが、それを忌むべきものとして非難するのではなく、その人の「のびしろ」として認識し、温かく見守ってもらえるという安心感があるからこそ、本部のインストラクター達は自由に試行錯誤することができるのでしょう。安心してミスできる環境があってこそ、ミスから学ぶことができるのです。
ミカエルの間近にありながら、あまりにも自由に自分のシステマを展開させる本部のインストラクター達。今回のモスクワ行きで一番大きく私の考え方を変えたのは、モスクワ本部のあり方そのもののような気がします。「ミカエルがクラスに出ない」ということすらこれだけ強力な示唆を与えてくれるのですから、本部はやはりスゴイ存在なのかも知れません。
システマモスクワ本部について(滞在編)
今回のモスクワ行きではセミナーの前後3日ほど本部に滞在し、本部がどんな様子なのか、色々と知ることができました。
モスクワ本部は地下鉄ベラルースカヤ駅から徒歩5分ほど。モスクワの中では比較的治安の良い場所にあります。
ベラルースカヤ駅はシェレメチェボ空港からエアポートエクスプレスという特急が出ているので、シェレメチェボに発着するアエロフロートや大韓航空などを利用すれば、空港からの移動はかなり簡単になります。
ですがモスクワ本部があるのは、厳重なセキュリティが施された施設の中。屈強でロシア語しか話さないガードマンが詰めているセキュリティチェックを通らないと行けないので、本部に到着を事前に知らせておかなくては行けません。
セキュリティをくぐって敷地に入ると、庭には警察のパトカーがところ狭しとひしめいています。パトカーの駐車場として、警察署に庭を貸しているのだとか。だからお巡りさんをちらほら見かけます。
そんな庭を通り抜けて本部に行くと、ちょっと奥まったところにシステマ本部の入り口があります。

こんなレリーフが目印です。「ロシア古流武術 システマ オフィス」といったところでしょうか。
この重いドアを抜けた玄関では、
こんな盾や
こんな絵画がお出迎えしてくれます。
この絵画は誰かミカエルを慕う生徒が制作してプレゼントしてくれたのでしょうね。
玄関を抜けると向かって右手に小休止用のキッチンがあり、左に長い廊下が伸びています。
廊下を歩くと右手にいくつかの小部屋があり、それぞれ何かのオフィスが入っています。いくつかの部屋を間貸ししているみたいです。その廊下もロシア正教のイコンやコサック戦士の絵画がズラリと。
そのさらに奥に行くとミカエルの執務室とジム、そして2つのマッサージルームがあります。
執務室は12畳くらいの広々とした部屋にミカエルのデスクがドーンと置かれており、その隅にバックギャモン用のスペースがもうけられています。ミカエルは昼過ぎから夕方頃にここに来て、システマ関連の執務を行ったり接客をしていたりします。馴染みの人とはいつもバックギャモンと思しきゲームに興じることも。やはりロシア正教のイコンはところ狭しと並んでおり、私が帰る際にも正教の聖なる山、アトス山で入手したイコンを一つ、プレゼントしてくれました。
2つのマッサージルームはいずれもミカエルに親しい治療家に貸し出されており、それぞれ施術が行われています。そのうちの一つは激痛ともなうスティックマッサージでお馴染みのアレクサンドルがおり、マッサージを受ける人の悲鳴がしょっちゅう響きわたっています。
セミナー前後は本部に一泊25ドルで宿泊することができます。客室やベッドはないので、泊まるのはマッサージルームか、ジム。毛布や寝床を貸してくれるので、寒さの心配はないものの、寝床はジムの床かオフィスの床かソファか施術台になりますので、寝心地はたいしてよくありません。
食事はランチのみ敷地内にある食堂を使うことができます。市内のレストランはとても高いのですが、ここはとてもお手頃な価格。1000円(300ルーブルちょい)も出せば、かなり満腹になります。朝食と夕食は近所のスーパーや売店であらかじめ買っておいたものを食べたりします。ですが注意するべきは水。水道水はかなり念入りに煮沸してもあたることがありますので、沸かして飲む際にもミネラルウォーターにしたほうが良いでしょう。北川は煮沸が中途半端な水道水でお茶を淹れて飲んで、エラい目に遭ってしまいました。
ジムがあるのは住宅地の真ん中。少し歩いてレニングラツキ通りに出れば色々とお店があったりしますが、観光名所などに行くには地下鉄を利用する必要があります。モスクワの地下鉄は自動改札が導入されているものの、切符販売は自動化されておらず、窓口で売り子さんから買わなくてはいけません。なのでロシア語ができないと、ちょっと難儀します。片言の英語が喋れるくらいの一般的な日本人が一人で行くなら、トロントのほうがずっとハードルが低い気がしますが、モスクワ本部は何かと世話を焼いてくれるので、もし行くことがあっても手厚くサポートしてくれることでしょう。
ちなみにグーグルマップでみたモスクワ本部の所在地は以下の通り。
大きな地図で見る
モスクワ本部は地下鉄ベラルースカヤ駅から徒歩5分ほど。モスクワの中では比較的治安の良い場所にあります。
ベラルースカヤ駅はシェレメチェボ空港からエアポートエクスプレスという特急が出ているので、シェレメチェボに発着するアエロフロートや大韓航空などを利用すれば、空港からの移動はかなり簡単になります。
ですがモスクワ本部があるのは、厳重なセキュリティが施された施設の中。屈強でロシア語しか話さないガードマンが詰めているセキュリティチェックを通らないと行けないので、本部に到着を事前に知らせておかなくては行けません。
セキュリティをくぐって敷地に入ると、庭には警察のパトカーがところ狭しとひしめいています。パトカーの駐車場として、警察署に庭を貸しているのだとか。だからお巡りさんをちらほら見かけます。
そんな庭を通り抜けて本部に行くと、ちょっと奥まったところにシステマ本部の入り口があります。


この重いドアを抜けた玄関では、


この絵画は誰かミカエルを慕う生徒が制作してプレゼントしてくれたのでしょうね。
玄関を抜けると向かって右手に小休止用のキッチンがあり、左に長い廊下が伸びています。
廊下を歩くと右手にいくつかの小部屋があり、それぞれ何かのオフィスが入っています。いくつかの部屋を間貸ししているみたいです。その廊下もロシア正教のイコンやコサック戦士の絵画がズラリと。
そのさらに奥に行くとミカエルの執務室とジム、そして2つのマッサージルームがあります。
執務室は12畳くらいの広々とした部屋にミカエルのデスクがドーンと置かれており、その隅にバックギャモン用のスペースがもうけられています。ミカエルは昼過ぎから夕方頃にここに来て、システマ関連の執務を行ったり接客をしていたりします。馴染みの人とはいつもバックギャモンと思しきゲームに興じることも。やはりロシア正教のイコンはところ狭しと並んでおり、私が帰る際にも正教の聖なる山、アトス山で入手したイコンを一つ、プレゼントしてくれました。
2つのマッサージルームはいずれもミカエルに親しい治療家に貸し出されており、それぞれ施術が行われています。そのうちの一つは激痛ともなうスティックマッサージでお馴染みのアレクサンドルがおり、マッサージを受ける人の悲鳴がしょっちゅう響きわたっています。
セミナー前後は本部に一泊25ドルで宿泊することができます。客室やベッドはないので、泊まるのはマッサージルームか、ジム。毛布や寝床を貸してくれるので、寒さの心配はないものの、寝床はジムの床かオフィスの床かソファか施術台になりますので、寝心地はたいしてよくありません。
食事はランチのみ敷地内にある食堂を使うことができます。市内のレストランはとても高いのですが、ここはとてもお手頃な価格。1000円(300ルーブルちょい)も出せば、かなり満腹になります。朝食と夕食は近所のスーパーや売店であらかじめ買っておいたものを食べたりします。ですが注意するべきは水。水道水はかなり念入りに煮沸してもあたることがありますので、沸かして飲む際にもミネラルウォーターにしたほうが良いでしょう。北川は煮沸が中途半端な水道水でお茶を淹れて飲んで、エラい目に遭ってしまいました。
ジムがあるのは住宅地の真ん中。少し歩いてレニングラツキ通りに出れば色々とお店があったりしますが、観光名所などに行くには地下鉄を利用する必要があります。モスクワの地下鉄は自動改札が導入されているものの、切符販売は自動化されておらず、窓口で売り子さんから買わなくてはいけません。なのでロシア語ができないと、ちょっと難儀します。片言の英語が喋れるくらいの一般的な日本人が一人で行くなら、トロントのほうがずっとハードルが低い気がしますが、モスクワ本部は何かと世話を焼いてくれるので、もし行くことがあっても手厚くサポートしてくれることでしょう。
ちなみにグーグルマップでみたモスクワ本部の所在地は以下の通り。
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システマ大阪ウェブショップもクリスマスセール開催!
システマグッズセール情報!
年末に向けてシステマジャパンとシステマ大阪のウェブショップでちょっとした動きがありました。
◯システマジャパン
全DVD30%オフセール
12月5日~2010年12月20日までの期間限定。
これだけ大きなセールはシステマジャパンウェブショップでは初めてです。次はいつになるか分かりません。冬のボーナスで欲しかったあんなDVDやこんなDVDをゲットするチャンスです!
◯システマ大阪
新Tシャツ発売!
システマ大阪が発表する新しいTシャツはなんと速乾素材。トレーニング・ウェアとしてもってこいです。ウェブでは近日発売開始とのこと。ゼットラー兄弟セミナーでも販売されるのではないでしょうか。速乾素材のシステマTシャツは世界的にも稀なだけに、注目の逸品と言るでしょう。
◯システマジャパン
全DVD30%オフセール
12月5日~2010年12月20日までの期間限定。
これだけ大きなセールはシステマジャパンウェブショップでは初めてです。次はいつになるか分かりません。冬のボーナスで欲しかったあんなDVDやこんなDVDをゲットするチャンスです!
◯システマ大阪
新Tシャツ発売!
システマ大阪が発表する新しいTシャツはなんと速乾素材。トレーニング・ウェアとしてもってこいです。ウェブでは近日発売開始とのこと。ゼットラー兄弟セミナーでも販売されるのではないでしょうか。速乾素材のシステマTシャツは世界的にも稀なだけに、注目の逸品と言るでしょう。
ビクターの「上達するためのシステマDVD鑑賞法」
モスクワからの帰国後、当ブログにもちょくちょく登場しているモスクワのインストラクター、ビクター。エクストラクラスや送迎など、なにかと日本人参加者の世話を焼いてくれたばかりか、かなりの使い手で、古株さんを含めた他の生徒達からも一目おかれている存在です。だけどシステマ歴はたった3年(09年9月現在)ほどとのこと。
そんな彼が「上達するためのシステマDVD鑑賞法」を熱く、熱く伝授してくれましたので、ここにご紹介します。
第1訓「技の結果ではなく、ミカエルがどのようにやっているのかを見ろ」
DVDをみていると、ついつい相手の壮絶なやられっぷりにばかり見てしまいます。最初は映画を鑑賞するように、それを楽しむのももちろん良いでしょう。でも、上達するには常に「ミカエルがどう動いているか」を、見つめるようにする、とのことです。
でも、その時にひとつ大きな注意点があります。
第2訓「分析するな。すぐにマネするな」
DVDを観ていて、「ああ、これはこういうことか!」とひらめいたり、発見したりすることがあります。だからといってすぐにマネして動いてはいけない、とビクターは言います。なぜならそれは、上っ面をなぞるような動きになってしまいかねないからです。だから、分析もしてはいけません。分析して得られる知恵は、自分に分析できる範囲に限られてしまいます。それでは本当の知恵は得られないのです。
じゃあどうやって観れば良いのか、というと…
第3訓「ただぼーっと観ろ」
とのことです。そうするとミカエルの動きの情報が目を通して脳、身体へと伝わり、それが蓄積されていきます。そうすることで意識の水面下で脳と身体が徐々にその情報を理解して行き、時が満ちることで自然にその動きが身体にこみ上げてくる、と言うのです。
もちろん、ミカエルの技を受けたりして直接、肌で感触を体験するのも大切なのですが、このDVD鑑賞法をしてビクターは「俺は毎日ミカエルと練習している。DVDを毎日観ているからな」と豪語します。ビクターの場合、ペースは1日あたり15分~20分くらいとのこと。それ以上は「頭が情報でいっぱいになってしまう」のだそうです。こういう鑑賞法を納得させるだけの有無を言わさぬ実力がビクターにはあるのですから、反論のしようがありません。
これってなんだか最近流行のミラーニューロンを彷彿とさせますが、実はビクターって医学博士でもあるのです。なので、脳科学でもふまえているのかも知れません。私はこの鑑賞法、とても当を得ていると思います。だってほら日本の昔の徒弟制度でも、まずは親方の働きっぷりを何年も見せるだけだって言うじゃないですか。(ビクターの“DVD鑑賞法”で、抜けている点などがあれば、遠慮なくコメントください)
そんなビクターと私。ビクターはここ1~2年に発売されたモスクワのDVDにちょくちょく出てきています。
彼は自分の上達プロセスについて様々なことを語ってくれましたので、それをもとに、「ビクターはなぜ3年であんなにスゴくなったのか」という記事を近々書く予定です。
そんな彼が「上達するためのシステマDVD鑑賞法」を熱く、熱く伝授してくれましたので、ここにご紹介します。
第1訓「技の結果ではなく、ミカエルがどのようにやっているのかを見ろ」
DVDをみていると、ついつい相手の壮絶なやられっぷりにばかり見てしまいます。最初は映画を鑑賞するように、それを楽しむのももちろん良いでしょう。でも、上達するには常に「ミカエルがどう動いているか」を、見つめるようにする、とのことです。
でも、その時にひとつ大きな注意点があります。
第2訓「分析するな。すぐにマネするな」
DVDを観ていて、「ああ、これはこういうことか!」とひらめいたり、発見したりすることがあります。だからといってすぐにマネして動いてはいけない、とビクターは言います。なぜならそれは、上っ面をなぞるような動きになってしまいかねないからです。だから、分析もしてはいけません。分析して得られる知恵は、自分に分析できる範囲に限られてしまいます。それでは本当の知恵は得られないのです。
じゃあどうやって観れば良いのか、というと…
第3訓「ただぼーっと観ろ」
とのことです。そうするとミカエルの動きの情報が目を通して脳、身体へと伝わり、それが蓄積されていきます。そうすることで意識の水面下で脳と身体が徐々にその情報を理解して行き、時が満ちることで自然にその動きが身体にこみ上げてくる、と言うのです。
もちろん、ミカエルの技を受けたりして直接、肌で感触を体験するのも大切なのですが、このDVD鑑賞法をしてビクターは「俺は毎日ミカエルと練習している。DVDを毎日観ているからな」と豪語します。ビクターの場合、ペースは1日あたり15分~20分くらいとのこと。それ以上は「頭が情報でいっぱいになってしまう」のだそうです。こういう鑑賞法を納得させるだけの有無を言わさぬ実力がビクターにはあるのですから、反論のしようがありません。
これってなんだか最近流行のミラーニューロンを彷彿とさせますが、実はビクターって医学博士でもあるのです。なので、脳科学でもふまえているのかも知れません。私はこの鑑賞法、とても当を得ていると思います。だってほら日本の昔の徒弟制度でも、まずは親方の働きっぷりを何年も見せるだけだって言うじゃないですか。(ビクターの“DVD鑑賞法”で、抜けている点などがあれば、遠慮なくコメントください)

彼は自分の上達プロセスについて様々なことを語ってくれましたので、それをもとに、「ビクターはなぜ3年であんなにスゴくなったのか」という記事を近々書く予定です。
システマニュースレター
ご存知の方も多いかと思うのですが、トロント本部のウェブサイトからは不定期で「ニュース・レター」が送られてきます。
これは割引セールの情報のほか、セミナー情報など最新情報ばかりでなく、マスターやシニア・インストラクター、各地のインストラクターなどがシステマに関する様々な記事を書いています。本日、送られてきた最新のニュースレターの執筆者は過去2度に渡って来日したシニア・インストラクターであるマーティン・ウィラーの「WHY SYSTEMA?」。まだ読んでいませんが、とても興味をそそられるタイトルです。
僕はいつの間にか送られてくるようになったので、登録の仕方はよく分からないのですが、トロント本部の公式サイトのトップページにサインラップするっぽい欄があるので、その辺から登録できるのではないかと思います。
もし登録に成功された方がいたら、詳細な手順をお教えいただけると助かります。
これは割引セールの情報のほか、セミナー情報など最新情報ばかりでなく、マスターやシニア・インストラクター、各地のインストラクターなどがシステマに関する様々な記事を書いています。本日、送られてきた最新のニュースレターの執筆者は過去2度に渡って来日したシニア・インストラクターであるマーティン・ウィラーの「WHY SYSTEMA?」。まだ読んでいませんが、とても興味をそそられるタイトルです。
僕はいつの間にか送られてくるようになったので、登録の仕方はよく分からないのですが、トロント本部の公式サイトのトップページにサインラップするっぽい欄があるので、その辺から登録できるのではないかと思います。
もし登録に成功された方がいたら、詳細な手順をお教えいただけると助かります。
システマ海外旅行をよりおトクに
システマを始めてから、何かと海外に行くことが多くなりました。とはいえトロントとモスクワだけですが。
そんな中で身に付けた旅のお役立ち情報をご紹介します。
◎格安航空券ゲット法
おススメサイトはトラベルコちゃんです。毎回、他のサイトも参考にするのですが、結局ここで見つけたチケットを買います。ここで良いチケットを見つけたら、さらにそのチケットを扱っている代理店に電話をして、「もっと良いチケットありませんか?」と粘ってみるのも有効。ネットに掲載していないオトクチケットが埋もれていることもあります。
◎格安ホテルの見つけ方
おススメは「ホステルズ・ワールド」。こちらはバックパッカー用の格安ホテルがそろっています。僕はトロント滞在中でもネット経由で仕事したりするので、ネット使用の可否がわかりやすく書いてあるのも役立ちます。
〈システマタウン情報・トロント編〉
タウン情報はトロント編しか書けません。なぜならモスクワは空港から郊外のキャンプサイトまで一直線ですから。
トロントのシステマ本部はトロント市部の北の端っこにあります。Finch駅からバス(53番)でSTEELS Ave.とYONGE St.の交差点で降りて、15分ほど北に歩いて少し右に曲がったところにあります。ダウンタウンからの所要時間はおよそ1時間半くらいみておくと良いでしょう。
Finch周辺には泊まるところが少ないので、おそらく多くの人はダウンタウンに泊まることになると思います。トロント東部にはシニアインストラクター、エマニュエルの運営するシステマジム「Fight Club」があるので、トロント本部のクラスがない時間は、そちらに行ったりします。
市内の地下鉄やバスを使うならワンウィーク・パスがおススメです。毎週月曜日~日曜日まで有効で乗り放題なので、毎日ジムに通うならとってもオトクと言えます。
トロントは移民街みたいなものなので、各国の料理が揃っています。タイなどのエスニックや韓国料理がいたるところに。ただ日本食は韓国料理では勝負できない韓国人が経営している、という感じでろくなのに出会ったことがありません。僕はもっぱらフォーやらチゲやらそんなのばかり食べていました。
治安は良いです。夜中でも女性が1人で歩いているくらい。東京都心くらいの治安は保たれているようです。でもまあ気をつけるにこしたことはありませんが。
両替は成田でしてしまいます。でもトロントはどういうわけか両替所がいっぱいありますので、いたるところで両替ができます。でもまあカード文化が発達してますので、VISAかMASTERがあればたいがいこと足りると思います。
一度、トロントに足を運んだシステマ愛好家はたいてい、もう一度トロントに行くことになるようですので、持ち帰ったドルは日本円にもどさずに大切に保管しておくと良いでしょう。
〈より濃密なトロントデイズを送るために〉
トロントは基本的にめぼしい観光スポットがありません。街にもたいしたものがありません。なのでトロントに行ってもたいてい、トレーニング三昧の日々を送ることになります。
僕の場合は「システマ本部」「Fight Club」「プライベートレッスン」の三本柱。システマ本部のクラスがある時には欠かさず通い、ない時にはFight Clubのレギュラークラスに参加して、エマニュエルの指導を受けます。そして空いた時間にシステマ本部かFightClubでプライベートレッスンを受けます。
プライベートレッスンの費用は1時間あたりシステマ本部が60カナダドル、FightClubが100カナダドルとなってます。システマ本部ではこれまでスコット・コナー、ドミトリ・ファーマン、マックス・フランツのプライベートレッスンを受けました。それぞれ個性があって、システマを異なる側面からたっぷりと堪能することができます。個別に改善点を教えてもらえたりするのも大きなポイントです。プライベート・レッスンは予約制です。トロント本部にあらかじめメールをしておきます。馴染みのインストラクターがいれば指名しておくと良いでしょう。
特に初心のうちはヴラディミアのクラスに出ても何がなんだかわからないので、プライベート・レッスンで細かく解説してもらうことがとても役に立ちました。
エマニュエルの指導はとても丁寧で、どんな初心者でも確実に理解を深められるようなドリルを組んでくれます。その物腰もちょっとあり得ないくらい柔らかいので、彼を慕う生徒も多いようです。彼についても近いうちにこのブログで紹介したいと思います。
初めてのトロント行きでエマニュエルと。若いですね、僕。実はこの時、システマを始めて僅か4ヶ月ほど。胸なんてパンチで紫色に染まりました。よくもまあそんな無謀なことができたもんだと、思います。
そんな中で身に付けた旅のお役立ち情報をご紹介します。
◎格安航空券ゲット法
おススメサイトはトラベルコちゃんです。毎回、他のサイトも参考にするのですが、結局ここで見つけたチケットを買います。ここで良いチケットを見つけたら、さらにそのチケットを扱っている代理店に電話をして、「もっと良いチケットありませんか?」と粘ってみるのも有効。ネットに掲載していないオトクチケットが埋もれていることもあります。
◎格安ホテルの見つけ方
おススメは「ホステルズ・ワールド」。こちらはバックパッカー用の格安ホテルがそろっています。僕はトロント滞在中でもネット経由で仕事したりするので、ネット使用の可否がわかりやすく書いてあるのも役立ちます。
〈システマタウン情報・トロント編〉
タウン情報はトロント編しか書けません。なぜならモスクワは空港から郊外のキャンプサイトまで一直線ですから。
トロントのシステマ本部はトロント市部の北の端っこにあります。Finch駅からバス(53番)でSTEELS Ave.とYONGE St.の交差点で降りて、15分ほど北に歩いて少し右に曲がったところにあります。ダウンタウンからの所要時間はおよそ1時間半くらいみておくと良いでしょう。
Finch周辺には泊まるところが少ないので、おそらく多くの人はダウンタウンに泊まることになると思います。トロント東部にはシニアインストラクター、エマニュエルの運営するシステマジム「Fight Club」があるので、トロント本部のクラスがない時間は、そちらに行ったりします。
市内の地下鉄やバスを使うならワンウィーク・パスがおススメです。毎週月曜日~日曜日まで有効で乗り放題なので、毎日ジムに通うならとってもオトクと言えます。
トロントは移民街みたいなものなので、各国の料理が揃っています。タイなどのエスニックや韓国料理がいたるところに。ただ日本食は韓国料理では勝負できない韓国人が経営している、という感じでろくなのに出会ったことがありません。僕はもっぱらフォーやらチゲやらそんなのばかり食べていました。
治安は良いです。夜中でも女性が1人で歩いているくらい。東京都心くらいの治安は保たれているようです。でもまあ気をつけるにこしたことはありませんが。
両替は成田でしてしまいます。でもトロントはどういうわけか両替所がいっぱいありますので、いたるところで両替ができます。でもまあカード文化が発達してますので、VISAかMASTERがあればたいがいこと足りると思います。
一度、トロントに足を運んだシステマ愛好家はたいてい、もう一度トロントに行くことになるようですので、持ち帰ったドルは日本円にもどさずに大切に保管しておくと良いでしょう。
〈より濃密なトロントデイズを送るために〉
トロントは基本的にめぼしい観光スポットがありません。街にもたいしたものがありません。なのでトロントに行ってもたいてい、トレーニング三昧の日々を送ることになります。
僕の場合は「システマ本部」「Fight Club」「プライベートレッスン」の三本柱。システマ本部のクラスがある時には欠かさず通い、ない時にはFight Clubのレギュラークラスに参加して、エマニュエルの指導を受けます。そして空いた時間にシステマ本部かFightClubでプライベートレッスンを受けます。
プライベートレッスンの費用は1時間あたりシステマ本部が60カナダドル、FightClubが100カナダドルとなってます。システマ本部ではこれまでスコット・コナー、ドミトリ・ファーマン、マックス・フランツのプライベートレッスンを受けました。それぞれ個性があって、システマを異なる側面からたっぷりと堪能することができます。個別に改善点を教えてもらえたりするのも大きなポイントです。プライベート・レッスンは予約制です。トロント本部にあらかじめメールをしておきます。馴染みのインストラクターがいれば指名しておくと良いでしょう。
特に初心のうちはヴラディミアのクラスに出ても何がなんだかわからないので、プライベート・レッスンで細かく解説してもらうことがとても役に立ちました。
エマニュエルの指導はとても丁寧で、どんな初心者でも確実に理解を深められるようなドリルを組んでくれます。その物腰もちょっとあり得ないくらい柔らかいので、彼を慕う生徒も多いようです。彼についても近いうちにこのブログで紹介したいと思います。

レイチェルのシステマレポート
そうそう、各地で行われているシステマセミナーの様子を知りたい方に、もう一つのサイトをご紹介します
「レイチェルズ・システマ・ライティング」
アメリカに住むシステマの生徒にしてライターの、レイチェルが自身が参加したセミナーについて色々と書いています。情報量としてとても充実しているので、おススメです。
「レイチェルズ・システマ・ライティング」
アメリカに住むシステマの生徒にしてライターの、レイチェルが自身が参加したセミナーについて色々と書いています。情報量としてとても充実しているので、おススメです。
フォーラムとトレーニングTips
トロントのシステマ本部のサイトは結構充実しています。DVDのセール情報やセミナー情報も大事ですが、なかでも注意しておきたいのは「トレーニングTips」と「フォーラム」です。
トレーニングTipsにはヴラディミアを初めとする優秀なインストラクターによるシステマトレーニングへの考察やトレーニングのレベルをより高めるためのアドバイスが豊富に掲載されています。
一方の「フォーラム」は世界中のシステマ愛好家が集う、大きな掲示板。トレーニングに関する質問にシニアインストラクターが答えていたり、各地で行われた最新のセミナーのレポートがアップされていたりなど、活発なやり取りが行われています。
フォーラムは全て英語なのと、日本のインターネット掲示板ではちょっとみないスタイルなので、戸惑うことも多いかと思いますが、ぜひ読みこなすことをオススメします。
トレーニングTipsにはヴラディミアを初めとする優秀なインストラクターによるシステマトレーニングへの考察やトレーニングのレベルをより高めるためのアドバイスが豊富に掲載されています。
一方の「フォーラム」は世界中のシステマ愛好家が集う、大きな掲示板。トレーニングに関する質問にシニアインストラクターが答えていたり、各地で行われた最新のセミナーのレポートがアップされていたりなど、活発なやり取りが行われています。
フォーラムは全て英語なのと、日本のインターネット掲示板ではちょっとみないスタイルなので、戸惑うことも多いかと思いますが、ぜひ読みこなすことをオススメします。