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ブリージングセミナー2日目

今回のセミナーはこれまでとはずいぶんと毛色が違った感じです。まず、汗をかきません(笑

もちろん、システマのトレーニングはしんどければ良い、というものではありません。動きの正確さやどれだけ自分自身を深く知っているか、ということがとても大事になってきます。現在はシステマがずいぶんと世に広まり、システマとはどういうものか、ということを理解する人も増えて来たので、その理解を進め
るのが狙いなのかな、と思ったりしました。

今日、おこなったのはストライクやグラップといった、武術的な技術の徹底的な見直しです。
パンチを打たれる時、打つ時、打とうとする時、グラップされる時、された時、されようとする時などなど、さまざまな局面において、どれだけ身体に緊張が生まれてしまうか、ということを丁寧に検証し、それをどうやって解していくのか、そしてそれを解すことでどんなことができるようになるのか、ということをやりました。

まずは前日行ったような、呼吸の停止とバースト・ブリージングを組み合わせたウォーミングアップ。続いては相手を押し込むドリル。相手に拳をめり込ませていくのですが、緊張が発生した瞬間に拳を止め、そのプレッシャーをキープしつつ、緊張した部位を解します。その後にさらに拳を突き入れて、再びリラックス。これを繰り返します。この時、ついつい足を踏ん張りがちなので、座ったり、寝たりしても行います。

あとは胴体をリラックスさせたまま、腕や足だけを動かすトレーニング。
これはパートナーに腕や足を持ってもらうのですが、腕や足につられて胴体まで固まると、動きがつかえてしまいます。そこで呼吸をして、胴体の緊張をほぐして行きます。似たドリルは以前、モスクワでも行い、前期の朝日カルチャーでも「末端の力」と称して紹介したのですが、それをずっと深めたようなものでした。

続いてはこの2つの体の使い方を合体させて、相手を押すエクササイズ。座ったり、寝たりしながら。
あと、拳で相手の全身をとらえてプッシュするのと、そうでないプッシュの違いを検証したりしました。

で、ヴァレンティンもまた同様のコンセプトのドリルを。
他者の攻撃に対してどのように緊張してしまうかを知り、それを解していきます。
ヴァレンティンによると、緊張の中心となりがちなのが、拳や膀胱、肛門といった下腹部のあたり。
まずはそこに力をこめ、呼吸と共にリラックスする、というエクササイズを。

続いて腹部全体に拳を入れて行くマッサージ。この時も受ける側は呼吸を限界まで止める→バーストブリージング、という今回のセミナー特有の呼吸を行います。バーストブリージングの時に、お腹をちょっと激しく拳で解したり、パンチを入れたりします。

次はパートナーと何パターンかの距離で向かい合い、快適な位置を探します。自分が相手をコントロールしやすい距離ですね。その距離を見つけたら、相手の肩に手を置き、おかれた側は相手の緊張を探って、力をいれないように気をつけながら、プッシュします。

あとはプッシュが強くなったり、パンチになったり、つかんでくるのが早くなったり、といったパリエーションです。常に緊張を意識し、見つけ次第リラックスするのが大事です。なので、それができるくらい、ゆっくりと丁寧な練習をこころがけます。それと、今日は寝た状態でさまざまな体位をとり、息を止める→バーストの呼吸で体をほぐしたり。

最後はヴラディミアのリードで、この日に学んだことを全て活かして、つかんでくる相手を崩したり、パンチをしたりといったドリル。

とまあ、今回のセミナーは徹底的に自分の緊張をAnalyzeし、解消していくのがテーマなのです。

それと個人的に意外な発見だったのが、「blood pressure」という言葉の意味。直訳すると「血圧」なので、コレステロール値があがると上がってしまったり、寝起きの女性が低かったりするアレかと思っていたのですが、そうすると、話の辻褄がどうもあわない部分が出てくるのです。
今回のセミナーではひんぱんにblood pressureという言葉が出てくるのでとても気になっていたのですが、これは一般的な意味とはちょっと違って、呼吸が与える血液への圧力のことを言っているようなのです。前者の意味だと、呼吸によって交感神経、副交感神経を制御して、心臓の脈拍や血圧をコントロールする、という意味になります。もちろん、それもあるのですが、どうも呼吸によって血流そのものを動かし、筋肉に代わる動力とする、といった感じなのです。例えばパンチをする時であれば、筋肉の収縮で打つのではなく、拳に血液をどっと送り込んだ力で打つ、といったニュアンスでしょうか。体は筋力や骨、重力で動くものと思っていた私には、この発想はとても斬新でした。

まあ、ちょっと文章だと表現しにくいのですけれども、そのことに気づいたおかげで、ずいぶんとシステマ的な身体観が理解できたように思えます。その辺は明日あたり、もうちょっと理解を深めたいところです。

ただ、今回のセミナーでやった呼吸法はビギナーの方にはあんまりこればかり教えないように、とのこと。なぜかというと、これはある程度、「システマとはなにか?」ということを理解した人達が、その理解を深めるために用いるひとつの方便であって、初心者への導入ではないから、ということです。


ほかに印象に残った言葉は次のような感じ。ヴァレンティンとヴラディミアは良いことをたくさん言っていたはずなのですが、北川の英語力の問題でずいぶんと聞き漏らしています。あとで一緒に参加したIさんにも色々と教えてもらおうと思ってます。

今日はヴァレンティンのお話からの抜粋がメインですね。

「体を鍛えるのはあくまでも二の次。目的はメンタルを鍛えるということ」

「指導をする時、生徒にムリに限界を超えさせてはいけない。呼吸をしていれば、自ずと徐々に超えて行く」

「骨盤が柔らかく動くのが大事。ここが固まると足なども固まり、パンチを受けた時にダメージが残ってしまう」

「首、胸、腹部には目に見えない緊張が起こりやすい。これらは動きを妨げる」

「サイキ、感情、身体の各階層に緊張が起こる。これらはキャベツの葉っぱのように、積み重なっていく」

「温度差もまた、身体へのストレスとなる。例えば寒い時には身体の機能が低下し、極寒の中では20分もすると死んでしまうこともある。呼吸によって機能の低下を防げば、体温も発生して、なん時間かは生き延びることができる」


今回のセミナーもDVD化されるようですので、楽しみにしてましょう。

ブリージング・セミナー1日目

さきほどトロントで実施されているブリージング・セミナーの1日目が終了。メモがてら内容をざっと書いて行きます。自分のあたまを整理する目的も含まれていますので、いくぶん読みにくい文章をなってしまうことをご容赦ください。

今回のセミナーは午後12時から6時までノンストップでぶっ通し、というちょっとスゴいスケジュール。今回は先週末と今週末に同じ内容で2回、同じセミナーが開催されるのですが、パート1の参加者によると「今回は情報量がスゴい。ICレコーダーを用意しとけ」とのこと。その言葉通り、いつになく解説が多いセミナーでした。ビザ発給の関連で参加出来なくなってしまったロシアのマスター、ヴァレンティン・タラノフはなんとSkypeで登場。Skype越しに質問に答え、ドリルの指示を出していました。テクノロジーですねー。

さて内容はと言うと、呼吸が免疫系、循環系、神経系、精神面など、人間にとって重要なあらゆるシステムに深く関連している、という医学的な話を踏まえつつ、システマ的な呼吸のエクササイズを中心に行いました。

今回、特徴的なのは「普通に呼吸→限界まで息を止める→バーストブリージングで呼吸を快復」という工程のエクササイズをたくさん行ったこと。歩きながらや、さまざまな姿勢、状況でこれを行います。
まずは歩きながら。さまざまな速度で歩いたり、走ったりしながら、自分の身体を“分析”します。動きにともなってどんな緊張が生まれるのか、丁寧に観察して行くのです。これを「4つの呼吸の止め方(後述)」で行い、それぞれ違いも確かめます。息の止め方によっても、現れてくる緊張が異なります。それらを全て見つけ、解していくのですね。そのようにして呼吸のあらゆる側面を使って、徹底的に緊張を洗い出し、除去して行くのが今回のテーマのようです。

歩きながら軽く呼吸をしてリラックスし、4種類の息の止め方のいずれかで息を止め、限界までそれを続け、限界に達したら小刻みな呼吸とジョグで呼吸を整えます。

ヴァレンティンはこれの静的なバージョンを指導。
プッシュアップの姿勢で呼吸を整え、息を止める。そのまま限界までガマンし、限界に達したら、小刻みな呼吸をしながら可能な限りゆっくりと、下がる。上がるときも同様に。同様にして横伏位、うつぶせ、あおむけ、スクワット、シットアップ、レッグレイズといった定番のエクササイズから、開脚して身体を前に倒したりなどなど、さまざまなストレッチ的な姿勢で行ったりします。姿勢によっても生まれる緊張がことなります。それらもできるだけたくさんあぶり出して、呼吸によって解除して行くのです。このあたりはさながらヨガのエクササイズのようで面白かったです。

続いては三人組で。これもヴァレンティンがリード。
一人の両腕を残り二人が同じ方向に捻った状態で、同様のことを行います。
腕を捻られたまま立った状態で息を止め、限界に達したらゆっくりとしゃがみ、呼吸を整え、再び息を止め、限界に達したらゆっくりと立ち上がる、というもの。背中をできるだけ地面と垂直に保ちます。

続いては、こうしてゆるめた身体をいかにして格闘技に応用するか、というもの。
まず二人が向かい合って、一人が適当に手を動かします。そしてもう一人はそれをマネします。
この時、相手の動きを目で見て動きを真似るのではなく、身体で相手の緊張を感じ、なるべくなんにも考えないで動きを追うのがポイントです。だからあまり細かいところまで気にしなくてもかまいません。

これを同様にステップで行います。相手との距離を一定に保ちながら、相手のステップにともなう緊張を感じ、ぴったりとついていきます。常に呼吸を忘れず、自分の体の緊張を解し続けます。

次にこれを少し発展させます。ステップをリードする側は、時おり不意に相手に接近します。リードされる側はそれも感じ、同様に距離を保ちます。


次はちょっと目先を変えて、相手に正面から両手で突き飛ばされるドリル。相手に押されて後ろに下がるときも、全身の力をぬいて、姿勢をくずさずまっすぐ後ずさりするように。今回の対人ドリルは、組んだ人による感触の違い、それによって生まれる緊張の違いなどを体験するために、ひんぱんにパートナーを変えて行います。

次はもうちょっと繊細に。
突き飛ばされる直前、ついつい身構えて緊張が生まれてしまいます。それを感じるため、突き飛ばす側はいったん相手に軽く触れ、その後にそのまま突き飛ばします。この時も身体にいっさい緊張がうまれないように。足が固まっていたりすると、仰け反ったりしてしまいます。

次は前段の相手との距離を保つワークと組み合わさります。手を伸ばして触れてくる相手に対して、距離を保ちます。これも相手の緊張を見るのではなく、感じることで行います。相手との距離によっても「身体の快適さ」が異なります。身体が常に快適でいられる距離を保つのです。

次はお互いに押し合います。呼吸を忘れないように。身体が緊張しないように。

続いてはこれを集団で。
これにさらにセミナー序盤〜中盤にかけておこなったエクササイズが組み合わさります。
息を止めて部屋の中央に集まり、お互いに押し合って、息が限界に達したら小刻みに呼吸をしながら部屋をジョグでまわり、呼吸を整え緊張をとります。で、呼吸が快復したらまた中央に行って押し合います。これをつかみ合いでも行いました。

だいたい、こんな流れで終了です。

第一部に出た人によると、2日目は徒手格闘への応用、3日目はナイフなどちょっと特殊な状況への応用を扱うとのこと。今からとても楽しみです。

その他、ヴラディミアとヴァレンティンが言っていた言葉を色々と列記します。ついでなのでセミナー前に参加したヴラディミアのクラスの言葉も加えておきます。セミナー内容と関連するトレーニングがたいはんだったので。

「身体は吸う時に緊張し、吐く時にリラックスするようにできている。これを使って身体の緊張をとる」

「口呼吸は緊張、鼻呼吸はリラックスを司る。そのバランスをとるため、鼻で吸って口で吐く」
→これに関連して、試しに口で息を吸って、その時の自分の緊張や気分を観察する実験を行いました。

「息を止めるやり方は4種類ある。それは『吐ききって止める、吸いきって止める、適度に吐いて止める、適度に吸って止める』」。

Analyzeする。自分の緊張や血圧など、全てを」(“Analyze”は今回、特に口酸っぱくヴラディミアが口にしていた言葉です)

「敵に対した時にはつい、相手の身体の大きさや攻撃の仕方など、相手について分析したくなってしまう。だがそれは徒に相手への恐怖心を高め『強そうでイヤだな』、と思ってしまうのがオチだ。だからそのような不毛なことはせず、相手ではなく常に自分の身体を分析するのだ(かといって自分の内面世界に引きこもるのも良くない。外界の観察とのバランスも大事)」

「頭は身体からの情報を受け取るものであって、身体を支配するものではない。意識によって身体を動かそうとすること、それ自体が緊張を生む」

目の使い方について
「視野は左右におよそ180度、上下はおよそ90度くらいの範囲をカバーする。それら全体をなんとなく眺める。そうすると、パッと生まれた相手の緊張に気づきやすくなる。(例えば、動きとは直接関連なさそうな部分が、なんらかの動きを支えるために緊張したりする。例えば手を動かすために、足を踏ん張ってしまう場合などがそうだ。相手をじっと見てしまうと、そういった緊張に気づくことができない)」

などなど。ただ、今回はトークがかなり多かったので、英語の聞き取りがそれほど得意でない北川には聞き間違いや聞き漏らしが多々あるはずのですので、日本で練習に励む皆さんは日本からのもう一人での参加者で英語の堪能なIさんにもじっくりとお話を聞くと良いでしょう。内容がずいぶん補完されるのではないかと思います。

12月の半身動作主催クラス予定です

毎月2回、半身動作研究会さんが主催してくださっているシステマクラスの情報をお知らせします。

今回のテーマは「対複数」と「グラウンド」。いずれも「ちょっと非日常な状況に身を置くことで、いつもと違った自分を知る」というのがテーマとなります。

ご興味あるかたはぜひどうぞ!

◎技アリ企画「システマ∴(トライアングル)」
●講師:北川貴英(システマ公認インストラクター)
●日時:2009年12月5日(土)18時15分〜20時30分(18時から受付け)
※京橋プラザ区民館の建物内部で開場を待つことができないので、17時55分以後に入館するようにお願いします。
●会場:京橋プラザ 多目的ホールA面
東京都中央区銀座一丁目25番3号
電話 03-3561-5163
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-p.html
●参加費:2000円
………………………………………………………………………………
◎技アリ企画「システマ_グランド・ワーク」
●講師:北川貴英(システマ公認インストラクター)
●日時:2009年12月19日(土)18時15分〜20時30分(18時から受付け)
※京橋プラザ区民館の建物内部で開場を待つことができないので、17時55分以後に入館するようにお願いします。
●会場:京橋プラザ 多目的ホールA面
東京都中央区銀座一丁目25番3号
電話 03-3561-5163
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-p.html
●参加費:2000円
………………………………………………………………………………
■お申込み
 参加を希望するクラス
12/5「システマ トライアングル」
12/19「システマ グラウンド」
 を明記して、
 「お名前」と「Eメールアドレス」を添えて
 世話人の中島章夫までメールでお申込みください。
 hanmidosa@gmail.com

2010年4月開講予定システマクラス

来年(2010年)4月から青葉台と、銀座にて新たにシステマクラスがスタートします。

青葉台は先日、一日クラスを担当させていただいた東急セミナーBe青葉台校

銀座は京橋あたりの最近、ショッピングビルが続々登場している、いわゆる“おっされー”なエリアに開講予定の、銀座産経学園が大幅にリニューアルしたオトナ向けカルチャースクールです。

青葉台は月1回、銀座は月2回の開講となる予定です。
これらはまだ予定なので、変更の可能性アリなのですが、皆様のお陰でシステマの輪がどんどん広がって行くのは、とても嬉しいことです。

もちろん、来年1月度の朝日カルチャー新宿クラスも開講が決定しました。
レギュラークラス一日集中クラスの2種類を実施します。

ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。

SUMMIT OF MASTERS 2010 !!

昨日、トロントに到着しまして、本部のジムに行ったら来年夏に行われる大イベントのチラシが貼ってありましたのでお知らせします。

タイトルは「SUMMIT OF MASTERS 2010」
2006年に行われ、ミカエル・リャブコ、ヴラディミア・ヴァシリエフ、コンスタンチン・コマノフといった3人ものシステマ・マスターが参加した大イベントが来年、帰ってきます!

日程は来年8月の16日から21日まで。
料金は未定ですが、過去の相場から推定するとたぶん2000ドル台半ばか3000ドル弱、という感じではないでしょうか。セミナー費、宿泊費、食費、空港までの送迎費などを含めた価格です。ただこの総額はあくまでも予想なので、あまりあてにしないでください。
ついで予想すると、この時期は夏休みど真ん中で航空券も高めなので、一人あたまの予算は40万円あれば足りるかな、という目安ですね。

今度の会場は湖畔なのでウワサの“水中でたたかうドリル”も行われるかもしれません。2006では世界中から200人近い参加者があつまり、さながらシステマ界の大スター勢揃い、といった感じでした。このブログにもなんどか登場しているエドちゃんやエドガーといったインストラクター達と北川が出会ったのも、このセミナーです。この時知り合った人達にはこれまでずいぶんとお世話になりました。システマ友達の輪がぐぐっと広がるのも、こういう大きなセミナーの魅力のひとつですね。

2006年の様子は月刊秘伝にレポートを掲載させていただいたので、興味のある方はバックナンバーを探して読まれてみてはいかがでしょうか。何年何号でしたっけ?

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Appendix

プロフィール

TKHDKTGW-RMA

Author:TKHDKTGW-RMA
各種武道や身体論を学んだ後、ロシア武術システマにどっぷりと傾倒。08年6月に創始者ミカエル・リャブコより、モスクワにて日本人2人目の公式インストラクターに認定されました。こんな私のよもやま話が何らかのお役に立てれば幸いです。お問い合わせはコチラのフォームよりお願いします。

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